2020.08.06

「この紙、食べものから出来ています」見て、触れて、心地いい「Food Paper」で、私たちの未来について考えよう。

Food Paper

独特の質感と、やわらかな手触りが心を落ち着かせる日本の和紙。
長い間、私たちの暮らしに欠かすことなく活躍してきた和紙が、いま、生産の危機にあることはご存じですか?

今回ご紹介するのは、そんなピンチの救世主となるかもしれない、食べものから作られた和紙「Food Paper」です。
「伝統技術×環境問題」という和紙の新たな挑戦を知ることで、私たちがこれからの未来を変えるきっかけにすることができるかもしれません。

そうだ、食べものから紙を作ろう!

Food Paper

全国の伝統和紙のなかでも1500年という長い歴史をもち、その品質と高い技術が評価され、古くから国の重要な書物や紙幣に用いられてきた福井の越前和紙。
ところが近年、和紙の原料である国産のコウゾやミツマタという植物の収穫量が激減。なんと最盛期の1.2%程度にまで落ち込んでいます。
さらに、和紙作りに欠かせないトロロアオイの一大生産農家が2019年に生産を大幅に縮小したことで、いま、日本が誇る和紙文化は存続の危機に直面しています。

そこで立ち上がったのが、越前和紙の産地にある五十嵐製紙。五十嵐さん家族を中心とした和紙工房です。
創業百年の長い歴史を持ち、大小さまざまな和紙を手掛け、著名アーティストのオーダーを受けるほど、技術力に高い評価を得ています。

そんな五十嵐製紙が、深刻な和紙の原料不足を背景に、廃棄されるだけだった野菜や果物を原料にして作り出した和紙こそが「Food Paper」です。

きっかけは「息子の自由研究」

Food Paper

そもそものきっかけは、五十嵐家の次男である息子さんの自由研究だったそうです。
彼は、小学4年生の頃から「紙漉き実験」という自由研究を5年にわたって続け、そのなかで、畑で採れる野菜や、ピーナッツ、ぶどう等、さまざまなものから紙が作れることを発見しました。

「Food Paper」は、息子の自由研究をヒントに、お母さんが伝統的な和紙漉き技術を用いて製品化したものなのです。

さらに、手漉きだけでなく、機械漉きで量産できることがわかり、従来の原料であるコウゾにさまざまな食べ物を加えて作る新しい和紙の可能性はさらに広がっています。

素材を生かしたオリジナリティの高い美しさ

Food Paper

眺めているだけで落ち着く「Food Paper」のやさしい色合いは、素材がもつ天然由来のもの。
人参、パプリカ、みかんやゴボウなど、食材がもつ鮮やかな色も、コウゾと合わせて紙に漉き込んでいくことで、本来の色味をほのかに残しながらも、ぬくもりのあるオリジナルな風合いに変化していきます。

さらに面白いのが、色以外にも食べものの名残が感じられる点。
特に生姜で作られた「Food Paper」は4年経っても生姜の香りがすると言うのが面白いですよね。

ただ美しいのではなく、それがどんな食べものから生まれたかを感じられる和紙。
見て、触れて、嗅いで、考えて。

一枚の和紙からさまざまなことを感じられる「Food Paper」は、和紙がもつオリジナルな魅力を改めて私たちに教えてくれます。

地球にも優しく、伝統和紙を楽しむ暮らし

Food Paper

「Food Paper」について語るとき、欠かすことが出来ないテーマが、世界的に問題となっているフードロス。
現在、世界で生産される食べものの3分の1が廃棄されていると言われています。

「Food Paper」に使われているのが、まさにこの捨てられる野菜や果物たち。
廃棄される野菜や果物を使うことでコウゾの使用量が減るため、当初の問題であった原料不足にどうにか対応していくことができる新しい技術です。

私たちが暮らしている地球環境への配慮と、長い間受け継がれてきた和紙の技術を組み合わせることで、環境も伝統も持続可能なものへ繋げられる形にすることが出来ました。

伝統和紙の新たな活路になるだけでなく、廃棄に困っていた野菜や果物の生産者の力にもなり、さらには廃棄に伴うエネルギーを削減することにもつながる「Food Paper」は、まさに豊かな未来にしていくためのアイテムといえます。

目の前にある資源を無駄にせず、人間の知恵と技術で美しいものに変えていく。
「Food Paper」は私たちに、これからの地球での生き方について教えてくれているような気がします。

「Food Paper」を選ぶことは、わたしたちの未来を選ぶことなのかもしれません。

商品情報

商品名 Food Paper

販売元 株式会社 五十嵐製紙

公式サイト https://foodpaper.jp/

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かとうかのこ

かとうかのこ

大学卒業後、海外を放浪したのち農業を始める。農業の傍ら、農や食を中心にライターとしても活動。美味しいものと、温泉、旅が好き。特技は、手だけでモコモコかつなめらかな泡を作ること。

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