もしかして使い方間違っているかも!「浮き足立つ」って本当はどういう意味なの?

ナンスカ編集部
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2019.08.31
浮き足立つ

「明日からハワイだと思うと浮き足立っちゃって、仕事が手につかない!」

日頃「浮き足立つ」という言葉を使うとき、何かワクワク、ウキウキするイベントの直前で「浮かれてしまっている」ような状態のことをいいますよね?

けれど、この使い方、実は間違っているんです!!

「浮き足立つ」は誤用の多い言葉で、元NHKのアナウンサーだった有働由美子アナも誤用して謝罪した過去があるほどです。今回は、この「浮き足立つ」のあまり知られていない正しい意味や語源、そして類語や例文を紹介していきます。

浮かれているようなイメージだけど、正しい意味はどういう意味?

浮き足立つは「不安」や「恐れ」から逃げたい意味だった!
浮き足立つは「不安」や「恐れ」から逃げたい意味だった!

さっそく「浮き足立つ」の正しい意味を確認してみましょう。

「浮き足立つ」:恐れや不安を感じ逃げ腰になる。落ち着きがなくなる。

「敵の攻撃に-・つ」 解散気配議員たちは-・った」

引用元:weblio辞書『三省堂 大辞林 第三版』より

浮き足立つ」の正しい意味では、ワクワク、ウキウキといった「浮かれている」ような意味合いはありません。逆に、「不安」や「恐れ」から逃げたいというマイナスのイメージが込められています。

この意味を知らずに、冒頭の人のようにハワイ前で「浮き足立つ」素振りを見せてしまったら、仕事から逃げたいと公言しているようなもので、困ってしまいますよね。

実際、有働アナは野球の中日がクライマックスシリーズのときに「浮き足立つ」を使用してしまい、番組中に訂正、謝罪をしています。

この間違いが多くおこってしまうのは、同じ漢字「浮」を使っている「浮かれる」という言葉があるからです。

「浮かれる」:楽しくてじっとしていられない気持ちになる。うきうきする

合格の報に-・れる」

引用元:weblio辞書『三省堂 大辞林 第三版』より

通常、私たちが「浮き足立つ」という言葉を使うとき、こちらの意味で使用していることが多いのではないでしょうか。実際、私自身もそうでした。

NHKアナウンサーだった有働アナのように、番組中にFAXで間違いを指摘されるようなことはありませんが、クライアントとの商談など、公的な場での使用には重々気をつけたいですね。

「浮き足立つ」の語源は?

語源

どうして同じ「浮」という言葉を使うのに、こうも正反対の意味合いが込められているのでしょう。どうも「浮き足立つ」の語源にヒントがありそうです。

「浮き足立つ」とは、「浮き足」で「立つ」と2つの言葉に分けられます。「浮き足」はそもそもつま先立ちの状態を指す言葉で、室町時代から使用されていました。

つま先立ちしていると、安定しなくてよろよろしてしまいますよね?

そんな不安定な状態から、「落ち着きを失くしてしまって、逃げ出したくなる」という意味を持つようになったんです。そのため、「浮き足立つ」には不安、恐れといったマイナスのニュアンスが含まれています。

繰り返しにはなりますが、クライアントや上司の方で言葉に造詣の深い方なら知っている人も多いので、くれぐれも誤用には気をつけてくださいね!

「浮き足立つ」の類語は?

ニュアンスを間違いやすい「浮き足立つ」ですが、類語と一緒に覚えておくと混同しにくくなります。「浮き足立つ」の類語をいくつか紹介しましょう。

・落ち着かない
・地に足が付かない
・気もそぞろ
・ソワソワ
・気が気じゃない

どの言葉も、気持ちが不安定になっていて、少し不安なニュアンスが込められています。現在の自分の心の持ちように、「不安」「恐れ」といったマイナスな状態で落ち着かないときが、「浮き足立つ」が当てはまるシーンです。

どういう時に使うの?例文をご紹介

例文でチェック

では、実際どういうときに「浮き足立つ」を使用すれば、相手にも失礼にならず、恥ずかしい思いをしないで済むのでしょうか?

会社が倒産するかもしれないと聞き、従業員は浮き足立った

会社が倒産するという危機的な状況がおこったとき、それを聞いて不安から逃げ出したくなるような状態。まさに「浮き足立つ」がピッタリな状況です。

自分が住んでいる地域で殺人事件が起こり、住民は浮き足立った

自分が生活している地域で殺人事件がおこってしまうと、そこに住んでいる住民にとっては不安や恐れの心理状態になりますよね。

 

このように、「浮き足立つ」を使用するシーンというのは、あまり良い状況とは言えないことが多いです。そのため、「浮かれる」と同じように楽しくなって落ち着かないような状況で使用すると、人によっては怪訝な表情をしてしまうかもしれません。

「浮き足立つは不安や恐れのニュアンスがある」ということを忘れずに、使用していきたいものです。

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"日常の「何それ?」を楽しむメディア"ナンスカの編集部です。

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