この優雅さ、見た目は精巧な真鍮の茶筒。実は五感で音を楽しめる「和」のスピーカー「響筒」

ナンスカ編集部
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2020.06.10
「和」のスピーカー「響筒」
「和」のスピーカー「響筒」

「響筒」とは、「五感や記憶に響く体験価値」をコンセプトにして作られた茶筒型のワイヤレススピーカーです。真鍮でできているので、見た目は高級感が漂う茶筒。

2017年にミラノデザインウィークという世界最大規模のデザインイベントでは、「ベストストーリーテリング賞」を受賞。さらに、インターナショナルフォーラムデザイン(ドイツ・ハノーバー)が主催する「iFデザインアワード2020」においては金賞を取っています。このように、世界から大きな反響のあったプロダクトなのです。

「音」は聴くためだけの存在ではない。「音」を所作でも楽しめる「響筒」

「和」のスピーカー「響筒」

「響筒」は、蓋の開閉が音のオンオフと連動しており、蓋を持ち上げると徐々に音が鳴り始めます。耳で聴くだけでなく「手のひらに伝わる振動とともに音を感じる」という新しい付加価値を提供しています。

京都の手作り茶筒の老舗「開化堂」の磨き抜かれた技術によって、「響筒」は高い密封性を誇っています。蓋を開けると、まるで茶葉の香りがふわっと漂うように音が鳴り広がり、蓋を閉じると上品に音がフェードアウト。もちろん、音質にもこだわりがあります。独自開発のDSP(Digital Signal Processor)により、低音から高音の広帯域で、耳に優しい音を聴かせてくれるのです。

また、真鍮素材でできているので、その滑らかな手触りと美しい光沢は、触れれば触れるほど徐々に濃い飴色になっていき、使い込むほどに愛着が湧いてくることでしょう。充電台に本体を置くだけで充電ができるので、ケーブルを接続する必要もなく、接続端子のない凛とした外観を保っています。

Panasonic Designと手作り茶筒の老舗「開化堂」が共創

「和」のスピーカー「響筒」

「響筒」の開発が始まったのは2015年です。当時パナソニック社デザイン部門は「日本らしい家電」を模索していました。そこで、日本の伝統工芸の根底に宿る美しさや繊細な造り込みと、次世代に伝統をつなごうとする想いといった「心」の部分に注目したのです。伝統工芸に、最新のテクノロジーをかけ合わせることで「未来の豊かなくらしを支え、人々の暮らしに溶け込む家電が創れるのではないか」という考えにたどり着いたのです。

「和」のスピーカー「響筒」

そこから、京都で歴史ある伝統工芸の家に生まれた若手らが中心になり、伝統工芸の新たな価値を発信するプロジェクト「GO ON」にコンタクト。こうして、「Kyoto KADEN Lab.(京都家電ラボ)」という共創プロジェクトが立ち上がったのです。

しかし、パナソニックと開化堂のダブルブランド表記は、今までのパナソニックのルールでは実現が難しいものでした。ただ、開発当初から開化堂とのコラボレーションを行ってきた経緯があるだけに、開発チームはダブルブランドでの商品化にこだわったそうです。

「響筒」を置いた場所には高級で優雅なサウンド

真鍮の茶筒ですから、「響筒」を置く場所は茶の間やキッチンが似合うかもしれません。あるいは、寝室の枕元に置いて、寝る前に音を五感で感じれば、いつもより気持ちよく眠れるかも。

置く場所や使い方は、人それぞれのライフスタイル合った形がありそう。どんな場所でも「響筒」があることによって、一気に上品な空間になってしまうのです。年月と共に自分だけの逸品に仕上がっていく「響筒」。まるで生き物を育てているようですね。

まとめ

「響筒」は、日本の伝統工芸とテクノロジーが見事に融合しているプロダクトです。

この様な、何とも「粋」で遊び心があるものを作ろうとする試みが、これからも新しい体験をもたらしてくれるでしょう。残念ながら、100台のみの限定販売だったので現在は新規購入することはできません。しかし、この開発プロジェクトをきっかけに、今後色々な展開が検討されているそうです。とても楽しみですね!

商品情報

商品名     響筒(きょうづつ)
販売元     パナソニック
商品公式ページ https://panasonic.co.jp/design/works/kyo-zutsu/
開化堂公式サイト https://www.kaikado.jp/

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