ビニール傘から新素材!廃棄問題を問うアップサイクルブランド「PLASTICITY」

ナンスカ編集部
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2020.07.04
PLASTICITY

道端、店、電車...あらゆるところに置き去りにされているビニール傘。彼らはあまり大切されることなく、短期間で廃棄されていきます。

そんなビニール傘たちを新たな素材として生まれ変わらせたブランドがあります。それが「PLASTICITY」です。

10年後になくなるべきブランド「PLASTICITY」

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捨てられたビニール傘から新たな素材を生みだしたブランド「PLASTICITY」。2020年4月にスタートした新しいブランドです。

始まったばかりでありながら、ブランドのキャッチコピーは「10年後になくなるべきブランド」。このキャッチコピーには、日本が抱える廃棄問題への想いが込められているのです。

廃棄されるビニール傘が無くれば「PLASTICITY」は素材を失うことに。ブランド存続が難しくなります。しかし、それは日本の廃棄問題が良い方向へ進んでいるサインともいえるのです。

ビニール傘の消費量は年間8000万本

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「8000万本」これは、日本のビニール傘の年間消費量。日本は、世界的に見てもプラスティックの消費量が多い国といわれています。ビニール傘の消費が、その要因のひとつであることは間違いありません。

ビニール傘は突然の雨でも手軽に買える便利なアイテムです。しかしその手軽さから、大切に扱われず簡単に手放すことにもつながっています。中には1度しか使われないまま、道ばたや傘立てなどに放置されてしまうことも少なくありません。

ビニール傘はリサイクルしにくい

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ビニール傘の欠点は、リサイクルしにくいこと。ビニール傘は分解するのが難しく、コストや手間がかかってしまいます。そのため、捨てられたビニール傘は再生されることはありません。焼却処分や埋め立て処分でその使命を終えています。

アップサイクルでビニール傘に新たな使命を与える

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リサイクルが難しいビニール傘を「PLASTICITY」はアップサイクルという形で蘇らせました。

アップサイクルとは、廃棄物をただ再生するのではなく、機能性やデザイン性に優れた素材に生まれ変わらせること。

「PLASTICITY」は、容易に手放されたビニール傘を、次は長く愛用されるよう「強くてスタイリッシュな素材」へとバージョンアップさせたのです。

ビニール傘から誕生した新素材「GLASS RAIN」

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「PLASTICITY」が、ビニール傘から生み出した素材「GLASS RAIN」。高い技術や手間をかけた、機能性・デザイン性に優れた素材です。

「GLASS RAIN」は丈夫で水に強い

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ビニール傘からできた「GLASS RAIN」の特長は、やはり水に強いこと。防水性・防汚性が非常に高い素材です。

また強度の高い素材でもあります。ビニール傘を何層にも重ねて作られているので、とても丈夫にできているのです。

ひとつひとつ表情が異なる「GLASS RAIN」

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「GLASS RAIN」は、窓ガラスに雨が流れるような独特な風合いを持ちます。

そして、ひとつひとつ表情が異なるのです。これは、ビニール傘をそのまま何層にも重ねてプレスするため。ビニール傘だったころのブラウンの変色や使用感も味のある個性へと変換されます。

雨の日には、防水機能が活躍する「GLASS RAIN」ですが、晴れの日は太陽の光を反射させてキラキラとした顏を楽しめます。

ビニール傘が「GLASS RAIN」に生まれ変わるまで

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ビニール傘が「GLASS RAIN」に生まれ変わるには、手間と高い技術が必要です。

廃棄されたビニール傘には大きさや材質、厚みなど種類はさまざま。それを人の手でひとつひとつ選別していきます。

選別が完了したら、傘を解体し丁寧に洗浄。

キレイになったビニールを、傘の形のまま数枚組み合わせます。そしてプレス加工。何層にも重なったビニールに特殊な圧着加工を施します。これで、新素材「GLASS RAIN」の完成です。

職人の手によってスタイリッシュなバッグへ

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「PLASTICITY」が販売している「GLASS RAIN」を使ったバッグ。バッグにするまでにも大変な手間がかかっています。

「GLASS RAIN」は、ものによって大きさや厚み、波打ちが異なり複雑です。そのため、高い技術を持った熟練の職人によって裁断・縫製が行われています。素材自体も丈夫ですが、丁寧な縫製でつくりも丈夫なバッグなのです。

「GLASS RAIN」を使ったバッグはすべてオンリーワン

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雨でも安心の防水性・防汚性と丈夫さを兼ね備えた「GLASS RAIN」のバッグ。形・デザインは、見た目にも使いやすさにも優れています。

何より特筆すべきは、すべて世界にひとつしかないオンリーワンであること。先述したとおり、「GLASS RAIN」はひとつひとつ表情が異なります。同じバッグは存在しません。

サコッシュバッグ

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さっとお出かけする時にも便利なサコッシュバッグ。どんなファッション・色にも合うデザインで、男女問わず使えるユニセックス仕様。重さもたったの50gと超軽量なのも魅力です。

トートバッグ

トートバッグは、ラージとスモールの2種類あります。

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ラージは、プライベートはもちろん通勤にもおすすめ。肩にもかけられる長めの持ち手で長い移動でもストレスがありません。

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両サイドのホックを止めれば一回りコンパクトな見た目に。内部に仕切りができるので、整理して利用できます。

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スモールは、ちょっとしたお出かけやサブバッグにもおすすめです。

10年後には入手不可能なプレミアバッグに...

PLASTICITY

「PLASTICITY」はバッグを販売すると同時に、ビニール傘の廃棄問題を提起しています。廃棄問題が良い方向に進めば、数年後にはもう「PLASTICITY」のバッグは入手不可能となるはずです。

近い将来「期間限定販売のプレミアバッグだった」となることが、ブランドにとっても地球にとっても嬉しい結果なのかもしれません。

商品情報

ブランド名 PLASTICITY
公式サイト https://plasticity.co.jp/

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"日常の「何それ?」を楽しむメディア"ナンスカの編集部です。

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