コーヒーの香りがするカップ!コーヒーの”カス”からアップサイクルで生まれた「Kaffeeform」

ナンスカ編集部
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2020.10.15
Kaffeeform

今回紹介するのは、「Kaffeeform」のコーヒーカップ。コーヒー色の見た目もさることながら、なんと、香りまでコーヒーなんです。

実は、「Kaffeeform」のコーヒーカップの素材は「コーヒー」。コーヒーを抽出したときに出る「カス」をアップサイクルしています。

【ベルリン生まれ】コーヒーのアップサイクルプロジェクト「Kaffeeform」

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2015年にドイツ・ベルリンでスタートした「Kaffeeform」。
ベルリン市内のカフェやレストランで出た”抽出かす”からコーヒーカップを作るアップサイクルプロジェクト。

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現在は、エスプレッソ(60ml)・カプチーノ(200ml)・ラテ(290ml)の3つのサイズに加え、ウィデューサーカップも販売されています。

コーヒーのカスからカップになるまでは約5週間

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エスプレッソカップ&ソーサー1セットを作るまでに要する時間は、約5週間。エスプレッソ約6杯分の抽出カスを使用します。

まず、ベルリン市内のカフェやレストランから回収した、コーヒーの抽出カスを乾燥させます。次に、リサイクルした自然由来のセルロースや粉砕した木材などを混ぜ合わせ、ペレット状にします。

それをプッシャーで溶かし、射出成形という方法でカップやソーサーの形にして完成です。

「Kaffeeform」 の6つの特長

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「Kaffeeform」は、地球にも人にも優しいコーヒーカップ。陶器製やプラスチック製のコーヒーカップには無い優れた特長があります。

・地球に優しい循環型

・身体にも優しい

・ほんのりコーヒーの香りがする

・保温性が高い

・軽くて丈夫

・表情がひとつひとつ異なる

「Kaffeeform」は、すべて土に還る素材。地球に優しい循環型のコーヒーカップです。人体への有害物資も一切含んでいません。

陶器よりも軽く、落としても割れない丈夫さがあります。なので、洗うのも簡単。食洗器も使用できます。さらに、保温性も高いのです。コーヒーが冷めにくいのは嬉しいですよね。

また、カップの色味や模様はひとつひとつ微妙に異なります。同じものがひとつとないオンリーワンのコーヒーカップなんです。

考案者はデザイナーのジュリアン・レヒナーさん

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「Kaffeeform」を立ち上げたのは、デザイナーのジュリアン・レヒナーさん。

きっかけは、イタリア留学。カフェで毎日大量に廃棄されるコーヒーの抽出カスを見た時、どうにか再利用したいと考え「Kaffeeform」はスタートさせました。

今も週3回、ベルリン市内のカフェやレストランを回り、抽出カスを収集しています。

3年かけてエスプレッソカップが完成!

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コーヒーの抽出カスからカップができるまでに最も苦労したのは、抽出カスを固めるための接着剤。

「衛生的に安全であること」「耐久性があること」この2つの条件をクリアするため、一度は、溶かした砂糖でも実験。安全ではあるものの、耐久性に問題がありました。また、コーヒーが甘くなってしまうという大問題も発生し断念。

試行錯誤を繰り返した結果、食物繊維の一種であるセルロースを接着剤として採用。接着剤の開発に3年の月日をかけ、ようかくエスプレッソ&ソーサーが完成しました。

環境先進国ドイツのリターナブル・カップのデポジット制度

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ドイツの1人当たりの年間コーヒー消費量は6.5kgで世界第3位。

コーヒーが大好きな国であるドイツは、環境への取り組みが進む「環境先進国」でもあります。ベルリンでは、2017年から持ち帰り用の紙コップに課税されるようになりました。

そんなベルリンで、リターナブル・カップのデポジット制度が始まっています。リターナブル・カップとは「何度も洗って使えるカップ」という意味。

カフェなどでコーヒーを購入する際に、あらかじめリターナブル・カップのデポジット(あずかり金)を上乗せして支払います。カップをお店に返却すれば、デポジット料金は返金されます。デポジットを預けたまま自分用として所持することも可能です。

このデポジット制度の優れた点は、コーヒーを購入した店や系列店以外でも返却できること。市内で、デポジット制度に参加している店ならどこでも返却OK。参加している店はアプリで簡単に探せます。

なので、わざわざ購入した店まで戻る必要がありません。家の近所や通り道などで返却できるので、とても利用しやすい制度なんです。

コーヒーのストーリーを感じながらコーヒーを楽しむ

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「Kaffeeform」のコーヒーカップには、コーヒー豆のストーリーが詰まっています。

農園の人によって栽培・収穫されたコーヒー豆が、専門家などの手で焙煎されます。その後、カフェなどに運ばれ美味しい1杯のコーヒーに。それを飲みながら幸せな時を過ごす人たちがいます。

そこでストーリーは終わらず、コーヒーで余った抽出カスが、ジュリアンさん達の手によってコーヒーカップへと生まれ変わります。

長い年月、多くの人、様々な場所を経てできた「Kaffeeform」のコーヒーカップ。よりコーヒーを味わい深いものにしてくれるのではないでしょうか?

商品情報

商品名     Kaffeeform
商品販売ページ http://www.spacejoy.tokyo/products/list.php?maker_id=53

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"日常の「何それ?」を楽しむメディア"ナンスカの編集部です。

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