日本とちょっと違う、台湾の飲み水事情

Seikyo
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2020.04.13

みなさん、こんにちは。半分台湾人のSeikyoです。
今回みなさんにご紹介するのは、日本とちょっと異なる台湾の飲み水事情。
その違いをいくつかご紹介したいと思います。

水道水は基本的に飲まないほうがベター

世界で数少ない水道水が飲める国の一つである日本ですが、台湾の蛇口から出た水は、果たしてそのまま飲めるのでしょうか?

台湾の水道局にあたる「台湾自来水公司」の発表によると、台湾の水道水はそのまま飲むことができる国際的な基準を満たしていますが、基本的には沸かして飲むことが勧められています。
理由として、途中で使われている水道管の劣化が進んでいることや、各家庭に配置されている貯水タンクのメンテナンス状況によって水質が影響されるため、衛生的な観点から基本的に台湾人は水道水を直接飲むことはありません。

国によって、水道水の事情が異なる(画像出典:com77380 from Pixabay)

食堂で冷たいお水は出てこない?!

次に、日本で一般的な食堂に行くと、必ずと言っていいほど冷たいお水やお茶が無料で出されると思いますが、台湾では食堂で「おひや」が出されることはありません。そもそも食事と同時に冷たいお水を飲む習慣があまりなく、出されたとしてもぬるま湯だったりします。

日本で食堂に行くと、寒い冬でも必ずといっていいほど出される、冷たいお水

台湾人は冷たいお水はいきなり飲むと体にあまり良くないと考えている人が多く、温度は「白湯」あたりが一番多く好まれているようです。
体はなるべく冷やさないという漢方医学的は考えから、かなり健康志向の人が多いような気がしました。

逆に台湾の友達が、寒い冬に日本の食堂で冷たいお水を出されてとても驚いたというエピソードは、何度も聞いたことがあります。

マイボトルを持ち歩いている人が多い

台湾人にとって欠かせないアイテムの一つ、それが「水筒」です。

小学生から社会人まで、学校や会社に行くのに常に水筒を持ち歩くのが台湾スタイルです。
日本だと遠足に行く時に持ち歩くイメージがありますが、台湾は気候が日本に比べて暑く、自然と汗をかくシーンが多いので、こまめに水分を補給する必要があるのです。小さい頃からマイボトルを持ち歩く習慣を身につけさせて、いつでも水が飲める状態にしてあるのです。

日本と比べて気候が温暖な台湾。写真は、南国情緒あふれる台湾大学のキャンパス

あちらこちらに置いてあるウォーターサーバー

台湾人は水筒の水を飲み切った場合、どうするのでしょうか。
学校では必ずといっていいほど、教室の外の廊下に水道直結式の浄水式ウォータサーバーが配置されていて、日頃から水を飲むのに困ることはありません。
また社会人になると、会社の福利厚生として置いてあったり、役場や空港などの公共機関には基本的に配置されていることが多いです。

これは高雄の国際空港に置かれていた、よく台湾で見かけるタイプのウォーターサーバーです。

高雄国際空港の一角に配置されていた、2台のウォーターサーバー

基本的に「冷たいお水」と「お湯」が出るものが多く、この場合は中間の「ぬるま湯」も出るようになっています。国際線では手荷物検査の際に持ち運べる液体の量が制限されているので、空っぽの水筒を持ち込んで検査が通った後に、ここのウォータサーバーで水を注ぐ台湾人を、この日は多数見かけました。

台湾のウォータサーバーの特徴と言えるのが、スタイリッシュな外観と機能面の充実でしょう。お湯は安全面を考えて、「Unlock」を押さないと出ない仕様になっているものが多く、私が特に便利だと思う機能が「連続出水」というボタンです。水筒に水を入れる際にボタンを押し続ける必要がなく、自動でお水が出続けるように設定ができるのです。

水温が表示されていたりと、様々な機能が充実しているウォーターサーバー

国を超えれば変わってくるお水事情

同じ水でも、日本で飲む水と海外で飲む水とで味が異なる気がするように、気候や地理的な要素によって、その土地のお水事情も変わってきます。人間が生きていくのに必要不可欠な「水」によって、その国独自の文化や景観が育まれているのです。

皆さんも寒い季節の中、水分補給を忘れないでくださいね!

では、次回もお楽しみに!

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WRITER PROFILE

Seikyo

1996年台湾生まれ。半分台湾人。東京でグラフィック&Webデザイナーとして働きながら、台湾と日本の文化のギャップをデザイン的な視点で発信中。

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