中秋の名月は月餅に多肉植物!?中国の神話を題材にした奇想天外な月餅ギフトセットとは

Seikyo
Seikyo
2021.10.11
「有肉SUCCULAND」が2021年の中秋節に向けて発売した、月餅と多肉植物の限定パッケージ(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
「有肉SUCCULAND」が2021年の中秋節に向けて発売した、月餅と多肉植物の限定パッケージ(画像提供:©️有肉SUCCULAND)

みなさん、こんにちは。半分台湾人のSeikyoです。

今回は、中華圏で代表的な祭日「中秋節」を9月に迎えたことをテーマに、台湾で話題になった月餅と多肉植物を掛け合わせたギフトセットについて、ご紹介したいと思います。

早速みていきましょう!

多肉植物を専門に扱う台湾のブランド「有肉SUCCULAND」

「有肉SUCCULAND」の店舗(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
「有肉SUCCULAND」の店舗(画像提供:©️有肉SUCCULAND)

台湾発の多肉植物専門ブランド「有肉SUCCULAND」は、主に多肉植物とその植木鉢を取り扱っており、多肉植物を空間の中に取り入れることを専門とし、多肉植物の育て方に関するワークショップなども定期的に開催しています。多肉植物の様々な姿をより多くの人に知ってもらうために、そのブランドの力で多肉植物に新たな住処を与えることを目指しています。

ショップでは贈答用のお問い合わせはもちろん、育て方に関する質問や、実際に多肉植物について学べる場を提供するなど、一気通貫したサービスを提供しており、仕事が忙しい毎日だからこそ、植物を育てることによって自分を見つめ直す時間を設けてほしいというコンセプトのもとで、緑豊かで可愛らしい多肉植物を、数多く世の中に送り出しています。

今回中秋節に合わせて発売されたのがこちらの植木鉢。月兎の背中に多肉植物が可愛らしく載っており、金色の砂が配合された黒のコンクリートでできた鉢の素材が、多肉植物のナチュラルな色を引き立たせてくれています。シックな外観と場所を取らない大きさであることから、どんなお部屋にも似合いそうなデザインになっています。

光を柔らかく反射してくれる、月兎の植木鉢(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
光を柔らかく反射してくれる、月兎の植木鉢(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
月兎が多肉植物を背負っているようにも見える(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
月兎が多肉植物を背負っているようにも見える(画像提供:©️有肉SUCCULAND)

創業120年の老舗お菓子屋「李亭香」と、中秋節の限定コラボ

台北の中心地に残るレトロな街並み「迪化街」。その路地に佇む、1894年に創業した菓子店「李亭香」は100年を超えた老舗で、主に贈答用の伝統的なお菓子を取り扱っています。結婚お祝いに贈る「喜餅」から、旅行先のお土産として贈るパイナップルケーキまで、どれも昔ながらの味を大切にしています。毎年のちょうど夏休みが過ぎた頃の季節になると、中秋の名月に合わせて月餅に関する商品が販売されます。

老舗の菓子屋さんであることから、パッケージも伝統的なデザインを継承しているのかと思いきや、かなりモダンでスタイリッシュなデザインを取り入れていることでも知られており、年齢層を問わず様々なお土産のニーズに応えています。

今回「有肉」とのコラボレーションで発売された月餅は、表面に「WARMTH」と赤で書かれた蛋黃酥と、花の形をした多肉植物のイラストが描かれた「平西餅」が含まれています。特に「蛋黃酥」は台湾の中秋節では必ずと言っていいほど口にするお菓子で、多肉植物と月餅をセットで贈ることができるほか、多肉植物を単体で購入することも可能です。

多肉植物の模様が表面に描かれた「平西餅」(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
多肉植物の模様が表面に描かれた「平西餅」(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
台湾の代表的な、卵の黄身が入った銘菓「蛋黃酥」(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
台湾の代表的な、卵の黄身が入った銘菓「蛋黃酥」(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
パッケージのバリエーション(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
パッケージのバリエーション(画像提供:©️有肉SUCCULAND)

中国の神話を題材にしたパッケージデザイン

このおしゃれなパッケージデザインは、台湾のデザイン事務所「製所設計Made&Co.」によって手がけられ、多肉植物の深緑を基調に、中国神話に登場する「嫦娥(じょうが)」の祝福と何事もうまくいくという願いが込められた「手」が、メインのイラストとなっています。

嫦娥とは中国神話に登場する人物で、「姮娥(こうが)」とも呼ばれています。嫦娥は夫の后羿が西王母からもらった不老長寿の霊薬を盗んで飲み、一人で月に昇り、月の宮で一人寂しく暮らすという、有名な中秋節の伝説が存在します。メインビジュアルはまさにその嫦娥の手が描かれており、同時にうさぎを模した手の形をも表しています。また「何事もOK!」という祝福の意味合いから、OKのジェスチャーにも見えるように工夫されています。

上品な仕上がりのパッケージデザイン(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
上品な仕上がりのパッケージデザイン(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
金で箔押しした外箱がとても印象的である(画像提供:©️有肉SUCCULAND)
金で箔押しした外箱がとても印象的である(画像提供:©️有肉SUCCULAND)

食べて終わらない、「育てる」月餅みやげ

画像提供:©️有肉SUCCULAND
画像提供:©️有肉SUCCULAND

多肉植物と月餅という意外なコラボレーションを実現したこの中秋節限定のギフトセットですが、ただ食べて終わらない贈り物として、もらった側もちょっとした思い出に残りそうな中秋の名月になりそうです。また古くから伝わる神話をパッケージデザインにうまく取り入れていることから、お月様にまつわる逸話を知るきっかけにもなれるという、アイデアに満ちたギフトセットだと感じました。

台湾ご当地の月餅を味わいながら、片手に多肉植物を背負った月兎を手に取って楽しむという、いろんな楽しみ方が詰まっているお土産ですね。

では、次回もお楽しみに!

商品情報

商品紹介サイト   bit.ly/3weexLE
有肉SCCULAND  https://succuland.com.tw/
李亭香       https://lee-cake.com/
製所設計Made&Co.(Facebook) https://www.facebook.com/madeandcodesign/

Seikyo
WRITER PROFILE

Seikyo

1996年台湾生まれ。半分台湾人。東京でグラフィック&Webデザイナーとして働きながら、台湾と日本の文化のギャップをデザイン的な視点で発信中。

FOLLOW US

RELATED ARTICL

関連記事

SPECIAL

特集

HOT WORDS

CATEGORY

カテゴリ

何気ない毎日に創造性のエッセンスをもたらす日常の「なにそれ?」を集めました。
ちょっとしたアクションで少しだけ視野を広げてみると、新たな発見って実は身近にあるのかも。