不思議でユニークな製法だからこそできたモダンな曲線美、大切なブナを使った愛されるプロダクト「BUNACO(ブナコ)」

センノヂ
センノヂ
2021.07.23
BUNACO(ブナコ)

日本の国土は、森林の面積がおよそ7割を占めるといわれています。その中でもブナの資源量日本一を誇る青森県。
手付かずの天然のブナ林を有する、世界遺産の白神山地があることでも知られ、かつてはブナの森から多くの恩恵を受けてきた土地でもあります。

「BUNACO(ブナコ)」は、青森県のブナの木の美しさを最大限に活かすために開発されたプロダクト。
とてもユニークな製法で作られていることで知られ、その美しい曲線と温かみのあるデザインは長きにわたり、人々を魅了し続けています。

今回は、そんな「BUNACO」の、ほかでは見られない特別な作り方や魅力、生まれた背景などを含めてご紹介していきます。

“役に立たず”冷遇された過去を経て、ふたたび大切にされるブナ

BUNACO(ブナコ)

豊かな水や生命を湛えることで、山を守り、環境への貢献が認められているブナ林。現在では貴重な存在として大切にされていますが、これまでには“使えない木”として、冷遇されていた時代もありました。

水分を多く含み、部位により水分の含み方が異なるため、加工に向かないとされるブナの木材。乾燥しづらくすぐに腐ってしまったり、ねじれや狂いが生じることから敬遠されていました。せっかくの美しい肌理も活かせず、りんご箱や燃料ぐらいしか使い道がなかったのもそのためです。

悲しいことに戦後日本では、“役に立たない”とされるブナを伐採する変わりに、建材用途としてスギやヒノキなどの人工林に移行されるように。
やがて外国産の安価な木材に押され林業が衰退すると、人工林の放置の問題や、森林の保水力の低下による土砂崩れ被害などが深刻化します。

BUNACO(ブナコ)

こうした環境の悪化が取り沙汰されると、森林、とりわけ元々日本にあったブナ林の重要性が注目され、ふたたび保存が行われるようになりました。
「BUNACO」のふるさとである青森県では、これまで多くの恩恵を与えてくれたブナに光を当てるべく、新たな製品の開発に乗り出します。

こうして1956年に誕生したのが「BUNACO」です。

BUNACO(ブナコ)

現在では世界でも注目を集め、国内一流ホテルをはじめ、多くの施設に採用されるなど、多くの人に愛されるプロダクトです。

BUNACO(ブナコ)

貴重な森の資源を無駄にしない、ユニークで驚くべき「BUNACO」の製法

BUNACO(ブナコ)

「BUNACO」の作り方はとてもユニーク。まず、ブナの木材を桂むきの要領で薄くスライス、さらにテープのように細長くカットします。テープの厚さはおよそ1㎜。これを芯となる木材に絶妙な力加減で巻きつけていきます。

この時点ではまだ、「BUNACO」の完成形は誰も想像できませんよね?

BUNACO(ブナコ)
BUNACO(ブナコ)

こうして、バームクーヘン状になったものを成型していくのですが、その方法がテープを少しづつずらしながら、湯飲みを使って押し出すというから驚きです。ここで使われている“湯飲み”がまたポイント。

職人による技術と勘で、湯飲みを駆使しながら器用に「BUNACO」ならではの曲線を形作っていきます。

BUNACO(ブナコ)

この特別な製法には、木材を捨てずに無駄なく使える利点があります。
木材のブロックから製品を削り出す方法と比べると、使用する木材の量はおよそ10分の1ほど。貴重な森の資源を有効に活用できるよう、考え抜かれたエコな方法といえるでしょう。

また、この方法により「BUNACO」の自由な曲線と美しいフォルムが実現。さらに乾燥が行き届くため、ブナの弱点である歪みや狂いが解消したのです。

BUNACO(ブナコ)

さまざまな生活の場で活躍する、個性あふれる「BUNACO」のラインナップ

BUNACO(ブナコ)

テーブルウェアからはじまった「BUNACO」ですが、現在ではランプをはじめ、私たちの生活で活躍するさまざまな製品が作られています。その中でも「こんな製品があったんだ!」と思うような、ラインナップをご紹介していきます。

木の温かみと美しいフォルムが活かされた、「BUNACO」の世界をご覧ください。

ティッシュボックス SWING

BUNACO(ブナコ)

「BUNACO」特有の柔らかな曲線を、デザインに活かしたティッシュボックス。ゆらゆらとゆれる動作が楽しく、ずっと触れていたくなるかわいらしさがあります。
身近な場所に置いておけば、いつでも木のやさしいぬくもりを感じられますよね。

BUNACO(ブナコ)

ティッシュボックスでは、なかなか珍しいこの形。お部屋に置けば雰囲気が変わって、おしゃれ度も断然上がると思います。レトロやモダンなインテリアを目指したいときにも、この丸みを帯びたデザインが活躍しそう!

aomori project

青森県の名産品をモチーフに選んだ、個性的なランプシリーズ。
さて、こちらのランプ。きっと誰もが目にした瞬間「りんご!」と口に出してしまうでしょう。
言わずと知れた青森県の名産品、りんごがこんなにキュートなランプになりました。

BUNACO(ブナコ)

カラフルでポップなインテリアもちろん、ナチュラルテイストのお部屋にほっこりとした彩りをもたらします。色味を抑えたシンプルな印象のお部屋の中で「りんご」だけを際立たせてもステキだと思います!

そして、もうひとつの青森県の名産品をかたどったランプがこちら。なんとモチーフとなったのは「にんにく」!どことなくユーモラスな印象のデザインですね。

BUNACO(ブナコ)

「BUNACO」ならではの魅惑的なデザインはそのままですが、一度その秘密を聞いたら…あのコロンとしたフォルムが、もうにんにくにしか見えなくなります。

BUNACOスツール

BUNACOスツール
BUNACOスツール

「BUNACO」の持ち味である美しい風合いとミニマルなデザイン…なんと「BUNACO」では、スツールも作られているのです。軽くて持ち運びもしやすいので、食卓やドレッサー、ちょっとした勉強スペースなど、お家の中のあらゆる場所で重宝します。

しっかりした厚みのクッションで座り心地も良好!強度・耐衝撃性・耐久性に関しても、公的機関による厳しい試験を実施しているため、もちろん問題はありません。

フライングスツール
フライングスツール

ラインナップは「BUNACOスツール」、「BUNACOスツール」より6㎝低い仕様で、玄関先での使用に便利な「エントランススツール」、座面の種類と本体の色の組み合わせを選べる「MyStool」、ちょっとひねりの利いたデザイン性を楽しめる、受注生産の「フライングスツール」。

ライフスタイルや好みから、あなたにピッタリのスツールを選んでみてくださいね!

自然の恵みから生まれた、新たな価値あるもの

BUNACO(ブナコ)

独自の風合いの美しさや、手に取ったときの温かみが魅力の「BUNACO」。
長年積み重ねてきた技術は、自然の恵みから新たな価値あるものを生み出しました。

「BUNACO」ならではの透過する赤い光を放つ照明をはじめ、私たちの暮らしに楽しみやうるおいをもたらしてくれる、数多くの優れたプロダクトたち。
森に豊かなうるおいや生命を与え続けるブナの木が、また新たな形となって、私たちに癒しと豊かさを届けてくれました。
木の美しさを楽しみながら使い続けること、それが森林を守る思いにつながるのかも知れません。

商品情報

ブランド名 BUNACO(ブナコ)
製造元   ブナコ株式会社
販売元   有限会社ブレス
公式サイト http://www.bunaco.co.jp/
商品販売ページ https://bunaco.official.ec/

センノヂ
WRITER PROFILE

センノヂ

昭和40年代のセンスに魅せられ古着やインテリアにハマるが、現在ではその頃に建てられたとおぼしきビルや住宅を愛でるのが何よりの癒し。いつか、自分でプロデュースした雑居ビルを建ててみたいです。

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