5月28日は『花火の日』! 夏前なのに記念日ってどういうこと?

ヤマシタサイロ
ヤマシタサイロ
2019.05.27
5月28日は花火の日

夏のイメージが強い花火ですが、意外にも5月28日が花火の日になっているんです。そこには、あの有名な歴史上の人物と花火師たちの熱い想いがありました。

どうして5月28日が花火の日なの?

花火の日に関係する歴史上の人物は、時代劇「暴れん坊将軍」でおなじみ、徳川8代将軍・徳川吉宗です。

徳川吉宗は1733年(享保18年)528日、前年までの凶作・飢饉・疫病によって失われた多くの尊い命のために「慰霊祭」を開催し、花火を打ち上げました。

もともと、旧暦の528日には大漁祈願や豊作、悪霊退散を祈る「隅田川の川開き」がおこなわれていたので、慰霊祭には申し分ないタイミングでした。

この慰霊祭は以後毎年開催されるようになり、やがて現在でも続く「隅田川花火大会」へと形を変えました。528日が花火の日と呼ばれる理由はここにあったのですね。

花火の始まりは、いつ?

花火の始まり

一説によると、日本で花火が作られるようになったのは江戸時代と言われています。

徳川家の天下統一によって戦が減ると同時に、武器を作っていた火薬職人の仕事も激減してしまいました。「このままでは生きていけない」と考えた火薬職人たちが、武器作りで培った技術を生かし、娯楽用の花火を作るようになったのではないかと考えられているようです。(参考:東京のれん会

やがて、より大きな花火の方がお客さんにウケると気づいた花火職人たちは、競って大きく・高く・迫力のある花火の研究を開始。こうして誕生した「打ち上げ花火」は、町人はもちろん幕府にも認められ、祭事にまで使われるようになりました。

戦の道具として人の命を奪っていた花火の材料が、人々の生活を彩る娯楽となり、やがて、慰霊祭でも使われる神聖な道具へと進化をとげた。花火の歴史的背景を合わせてみてみると、なんとも感慨深いです。

花火中によく聞く「たまやー」「かぎやー」って?

実際に聞いたことはないけれど、「花火にかける掛け声は?」と聞かれれば、多くの人が「たまやー」と答えるでしょう。ヤマシタ自身も、アニメ「サザエさん」の中くらいでしか聞いた事はありません!笑

この「たまや」「かぎや」とは、江戸時代に活躍した花火会社「玉屋」と「鍵屋」のことです。花火が打ち上げられた時、それぞれのファンたちが

「たまやー!(やっぱ玉屋の花火は最高だなー!)」

「かぎやー!(いやいや、鍵屋だって負けてないぞー!)」

と、応援したというわけですね。なんだか、ライブで推しアイドルの名前を呼ぶのに似ているなぁと思いませんか?

花火は、娯楽が少なかった当時の人々にとって、最高のエンターテイメントだったのでしょう。そう考えると、熱狂的なファンが生まれるのも納得がいきますね。

最近の花火は、めちゃめちゃすごい…!

最近の打ち上げ花火

花火が最高のエンターテイメントなのは、今も同じですよ! 最近では手持ち花火・打ち上げ花火ともにすごい花火がたくさんあるんです。

めちゃめちゃすごい【手持ち花火】

手持ち花火とは、火薬を紙で巻いて持ち手をつけた家庭用の花火のことです。みなさんも線香花火やススキ花火などの手持ち花火で遊んだ経験はあると思いますが、最近はこんなに面白い手持ち花火があるのをご存知でしょうか?

●水の中でも火が消えない! 水中花火

水の中なのに消えないなんて、驚きです。見た目にも面白いですし、大人も子どもも夢中になってしまうこと間違いなしですね!

●お化けもびっくり、火の玉花火

夜中に出会ってしまったら、確実にお化けと見間違えてしまいますね。炎は2分ほど持続するようなので、じっくり楽しむことが出来そうです!

めちゃめちゃすごい【打ち上げ花火】

打ち上げ花火とは、その名の通り空に打ち上げて爆発させる花火のことで、祭りやイベントで使われることが多いです。特に、日本三大花火大会と呼ばれる、「全国花火競技大会(大曲の花火)」・「土浦全国花火競技大会」・「長岡まつり大花火大会」は息を呑む圧巻の美しさですよ。

2018 大曲の花火(春の章)

うまく言葉にならないほど、キレイですね! いつかこの目で見たいなぁと思わずにはいられません。「大曲の花火」は、新作花火のお披露目会も兼ねているので、毎年新しい発見がいっぱいです。

花火にドラえもん!?

まさか、花火でキャラクターを描くことができるとは 火薬の組合せや並び順を変えて模様を作り出すのだそうですが、見ているだけでワクワクしますね。

工夫次第で色々な形が作れるそうなので、「他にもこんな形を見たことあるよ!」という方がいたら、ぜひコメント欄で教えてください!

夜空と心に「笑顔の花」を咲かせる、それが花火

528日は花火の日ということで、徳川吉宗が慰霊のために上げた花火から、最新の面白花火まで、花火についてお伝えしました。

その中で、花火はいつの時代も「人々の笑顔のために上がるんだ」と気づきました。

点火の瞬間の花火職人たち、「たまやー」と声をかける観客の顔、手持ち花火はみんなでワイワイ盛り上がりますし、打ち上げ花火には必ず拍手が起こる…。慰霊のために上げられた吉宗の花火もきっと、重くしずんだ人々の心を明るく照らしたはずです。

花火は、今を生きる私たちに笑顔と元気を与えてくれる存在なんですね。

528日という初夏に設定されている花火の日、この夏の花火計画を立てるにはもってこいだと思いませんか?

みなさんも今年の夏はいろいろな花火に触れて、元気と笑顔をチャージしちゃいましょう!

ヤマシタサイロ
WRITER PROFILE

ヤマシタサイロ

鹿児島県出身。地方都市にて広報や商品開発等の観光PR事業に携わりながら、その土地のおいしい物を食べるのが楽しみで仕方ない食いしん坊ライター。音楽と猫とコーヒーがあれば無敵。

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