紙の原料といえば、パルプを思い浮かべる人は多いかもしれませんが、実は、お米や麦芽などさまざまな素材を混ぜてた紙を作ることが出来ることはあまり知られていないのではないでしょうか。
今回は、廃棄されるお米をアップサイクルして作る“米の紙”、「kome-kami(コメカミ)」についてご紹介していきます。
廃棄するお米をアップサイクルして作られた新素材
「kome-kami」は、廃棄されるお米を再利用して作られた紙の素材です。
国内には、古いお米や災害時用に蓄えられていたアルファ米、メーカーで生産時に発生した破砕米など、食べることができなくなったお米がたくさんあることをご存知ですか?
紙にはパルプをつなげる接着剤が通常使われますが、これらのお米で作った糊で代用し、またパルプと米を一体化して作ったアップサイクル製品が「kome-kami」です。
原料にお米を使うことによって生まれる、いつまでも触っていたくなる様な独特な質感と、ナチュラルな白さが特長の新素材になっています。
江戸時代の伝統が、令和で生まれ変わる
今から150年以上前の江戸時代は、物資を残さずに使い尽くす循環型社会でした。
そのひとつに、お米を糊や紙へと生まれ変わらせる文化があったのだとか。
つまり「kome-kami」では、有限の物質を効率的にリサイクルすることで資源を使いすぎないという昔の文化を、現代にフィットするかたちで応用しているといえますね。
また、原料に使われていた化学薬品を、非食用の米で作った米粉に変えたことで大量のCO2排出を削減することにも成功。
なんと年間で杉の木7本分の吸収量を抑えることが可能になったのだそう。
「kome-kami」は、江戸時代の文化を現代に活かしながら、限りある資源を無駄にせず、環境負荷を減らすという面で価値のある製品なのです。
名刺やノート、ボックス…独特な質感を活かしたアイテムに
「kome-kami」は、印刷にも優れていて、破れにくいのも特長なんだそう。
名刺やパンフレットなど、直接人の手に触れる物に使用することで、他とは違う手触りも楽しめるアイテムになるでしょう。
他にも紙袋や封筒、ノートなどにも使いやすい素材といえます。
また、「kome-kami」で作られたつなぎ目のないボックスも注目アイテム。
最新技術によって作り出されたという形状は、まるで美しい芸術作品のようです。
ギフトボックスにはもちろんのこと、つなぎ目がないので「途切れることがない」といった意味で結婚のお祝いや引出物としても活躍してくれそうですね。
一人ひとりの意識の変化が未来をつくる
現在、日本では、支援が必要な人が年々増えていく一方だと言われています。
なかでも子供は、7人に1人が貧困問題に直面しているのだそう。
「kome-kami」では、お米をアップサイクルすることによる資源の有効活用に力を入れるだけでなく、その売上の一部をフードバンクに寄付することで支援する活動も行っています。
今後は、持続可能な取り組みの一環として、企業や自治体での活用を広げながら、製品だけでなく紙単体での販売もおこない、印刷業や加工会社などでの使用率を増やすことでフードバンクへの支援が出来るような仕組みづくりを進めていくのだとか。
アップサイクルをゴールにするのではなく、さらに先を見据えた行動をすることが日本の未来を救う力になるのですね。
もちろん、何気なく過ごす日々の中で、食品ロスや環境問題について一人ひとりが意識することも大切なこと。
“社会貢献に積極的な企業の製品を購入する”
そんなちょっとした選択でも、未来を変える力につながるのではないでしょうか。
商品情報
商品名 kome-kami(コメカミ)
企画・販売元 株式会社ペーパル loss change project
公式サイト https://foodlosspaper.com/kome-kami