みなさん、こんにちは。半分台湾人のSeikyoです。
今回皆さんにご紹介するのは、日めくりカレンダーから見る台湾の暦についてです。
早速見ていきましょう!
新暦と旧暦の両方を過ごす台湾人
現在、台湾では公用暦として西暦を使っていますが、台湾の伝統行事を知る上で欠かせないのが、一般的に「農暦」と呼ばれる旧暦のほうです。
農暦とは中国伝統の太陰太陽暦のことで、中華圏では長い間、主に地域の伝統的な行事と結びつきが強かった農村部の人々を中心に使われていたことから、「農暦」と呼ばれるようになりました。その旧暦が現在も台湾で使われており、祝祭日や伝統行事に深く関わっています。
暦がふたつあることで起こることの一つが、台湾人はみな誕生日が新暦と旧暦とでふたつあるということです。例えば、2021年1月1日に生まれた人がいるとすると、旧暦の誕生日は前年の11月18日になります。なので、翌年の2022年1月1日に1歳を迎えることになりますが、次に迎える旧暦の11月18日はなんと2021年の12月21日になるので、旧暦の誕生日のほうを早めに迎えることになるのです。
人によっては十二支が2つあると言うことも、台湾では決して珍しくないのです。
伝統的な祝日が毎年違う日になる
新暦と旧暦の両方を過ごすことで起こりうるもう一つの現象として、台湾を含む中華圏の伝統的な祝日が旧暦をベースに制定されているため、毎年休みになる日が変わってくると言うことです。
代表的な例として思いつくのが、中国のお正月に当たる「春節」です。旧暦の1月1日が毎年新暦の違う日にあたるため、基本的には1月の中旬から2月中のどこかであることが多いですが、毎年カレンダーを確認しなくてはなりません。2021年の春節は2月12日になりますが、毎年のこの時期になると大抵の学校は冬休みに入り、春節の前後数日は行政も企業も基本的にはお休みになります。
なので、もし中華圏の人に「お正月に帰省するか」と尋ねたら、とても高い確率で1月1日の元旦ではなく、春節のほうを聞かれていると思われるでしょう。
そのほかにも、家族でお墓参りをする「清明節」や、満月を見ながら家族で集まる「中秋節」など、毎年カレンダーを見て新暦での日付を確認する必要があるのです。
台湾の伝統的な日めくりカレンダー
さて、ここからは実際台湾で幅広く使われている日めくりカレンダーを見ながら、日々どのような情報が載っているのかを探っていきたいと思います。
基本的な構成は日本で見るような日めくりカレンダーと似ていますが、「小寒」「春分」「夏至」などの二十四節気が載っている以外に、その日の運気がアップする方角や、やっていいこととやってはいけないこと、時間帯ごとの吉凶など、おみくじのような情報が記載されています。
このような暦は中国語で「黄暦」とも呼ばれ、日本のカレンダーにも載ってある「六輝(ろっき)」の大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅に近しく、その日の運勢などの参考にすることができます。
伝統的な文化と深く結びついている「農暦」
最近の台湾の若い世代は大事な祝日など以外は、日々の生活で旧暦を意識することはあまりありませんが、年配の方は未だに「農暦」に合わせて法事をしたり、大切な行事の日を決めたりと、生活に深く結びついている側面があります。
こうして旧暦を過ごす習慣が残っていることは、先祖から受け継がれてきた文化が、大切に守られて来ている証でもあります。そんな古き暦を、日々の生活でちょっとだけ意識してみるのもいいかもしれませんね。
では、次回もお楽しみに!