みなさん、こんにちは。半分台湾人のSeikyoです。
今回は、台湾で廃棄されたプラスチックを再利用して作られ、サステナビリティを実現したショッピングバッグについてご紹介したいと思います。
早速みていきましょう!
台湾も頭を悩ます、プラスチック削減問題
今世界的な環境汚染問題の一つとなっている、海洋プラスチック問題。
私たちも普段の生活の中で、様々なプラスチックを減らす取り組みを目にするようになってきました。世界各地でも様々な政策のもと、地球環境を守っていく取り組みがなされています。
実は台湾では日本よりも早く、スーパーやコンビニなどで無料でレジ袋が提供されなくなっており、プラスチックゴミを減らす政策が打ち出されてきました。しかし、実際には政策を打ち出した2009〜2019年の10年間、プラスチックの使用量は22.8%も上昇しており、実際の人々の生活習慣を変えられていない現実が浮き彫りになっています。
Greenpeaceの独自アンケートによると、台湾でレジ袋を入手する経路の6割以上が、今も数多くの人が利用する伝統的な市場であることがわかっています。また飲食店でテイクアウトすることが盛んな台湾では、料理を入れた容器や、それを持ち運ぶためのレジ袋など、いかに長期的な目線で減らしていくかが、目前の課題となっています。
プラスチックゴミから作られた、ショッピングバッグの開発
以前の記事でもご紹介した、台湾でプラスチックの再利用と関連するプロダクトの開発に努めているクリエイティブチーム「A Plastic Project」が2020年に始動させたこのプロジェクト。なんと使用済みの廃棄されたレジ袋を自ら回収し、それらを細かく砕いてプラスチックの粒にして、頑丈な素材のショッピングバッグに変身させたのです。
当時はクラウドファンディングを使って資金を募っており、バッグを一つサポートすると50gのプラスチックゴミを再利用することができ、100回以上使用すると99%のプラスチックゴミを減らすことができる計算になっています。
台湾の伝統的な市場で頻繁に使われる、赤と白のシマシマ模様のレジ袋からインスピレーションを得て、そのデザインを忠実にバッグに映し出しています。また手提げ袋ではなく、肩からかけることができるトートバッグの形に変えることで、買い物をする際の利用シーンを想定して、両手をストレスなく使うことができるデザインとなっています。
台湾の街中のシンボルと利便性をうまく掛け合わせた、格好の事例となっています。
ユーザーの利用シーンを想定した多機能性
工夫がこなされているのは、表のデザインだけではありません。
まず一つ目が、生鮮食品を購入するとどうしても袋の中が濡れてしまう問題です。特に台湾の伝統的な市場で売られているものは包装されていないものが多く、水分が出てきてしまった時でも、排水口を作っておくことで、バッグの中身が水浸しになることを防ぐことができます。また使用後に汚れてしまった時でも、簡単に洗って乾かすことを実現させたのです。
次に、バッグがコンパクトに折り畳めるところです。折り畳んだ後の大きさが縦横で11センチほどに収まるので、少し大きめのポケットにも気楽に入るサイズ感となっています。
最後に、ショッピングバッグには珍しくインナーポケットを設けているところです。家の鍵や財布などの小物だけでなく、テイクアウトした飲み物やステンレスマグなども、縦向きに固定させた状態で持ち歩くことが可能です。
台湾で広がる「再利用」の取り組み
プラスチックの発明は人類の生活に多大な利便性をもたらした一方で、今となっては深刻な環境問題となっています。ゴミと一緒に燃やすことで大気を汚染してしまったり、適切に処理されないまま廃棄されると、半永久的に私たちの生活環境に留まることとなってしまいます。意識的に普段の使用量を減らすか、繰り返し使って再利用することで、そもそもの生産量を減らすことにも繋げられると思います。
今回は台湾での取り組みを紹介しましたが、私たちも日々の生活から少しずつでもいいので行動変容を起こすことで、より良い社会や環境を作り上げていくことができると信じています。
では、次回もお楽しみに!
プロジェクト情報
| A Plastic Project
公式サイト https://www.a-p-p.tw/
Facebook https://www.facebook.com/aplasticproject/