みなさん、こんにちは。半分台湾人のSeikyoです。
今回ご紹介するのは、台湾で動物の撮影を専門とするフォトスタジオの、動物愛護に関する活動を中心にご紹介していきたいと思います。
早速みていきましょう!
犬や猫の撮影を専門とするフォトスタジオ
「三牲工作室(Something Studio)」は台北に拠点を置く、主に動物の撮影を専門とするフォトスタジオです。サイト上から申し込む形で撮影を依頼することができ、犬や猫、うさぎなどの様々なペットを家族の一員として、記念写真に収めることができます。
Something Studioで撮られる動物たちの写真はまるで証明写真のように、被写体以外のものを全て排し大胆に余白を残すことで、動物たちのリアルな表情や姿を一枚一枚の写真に丁寧に収めています。人間のように撮影時の細かい指示ができない中で、最高の瞬間を複数枚も捉えていることを考えると、カメラマンのカメラを操るだけではないプロフェッショナルなスキルを感じられます。
保護犬や保護猫の撮影で、里親を探すお手伝いも
一方の「中途撮影」と呼ばれるサービスでは、保護された野良犬や野良猫の撮影を専門としています。同じくサイト上からの申し込みを受け付ける形で撮影を請け負っており、1日でも早く里親が見つかるように、Something Studioでは写真を通して動物愛護の活動を行なっています。
丁寧に様々な角度から被写体を捉えることで、写真からよりリアルな動物たちの姿を想像することができます。
今年の3月から4月にかけては、台湾桃園の文化局主催の「ランドアートフェス」にてSomething Studioの大規模な写真展が行われ、より多くの人に間近に見てもらうきっかけを創出することができました。
「野良犬や野良猫の多様性を皆さんに見てもらいたい」と話す主催者のYangさんは、合計69点にも及ぶ写真を展示スペースに持ち込み、その中には既に里親が見つかった犬や猫もいれば、今も里親を探している犬や猫たちも含まれています。大規模な展示を開催することで、保護犬や保護猫について幅広く認知してもらうだけでなく、丁寧に撮影された写真を通して里親とマッチングができる場を増やすことにも繋がっています。
展示に登場した保護犬や保護猫は、必ずしもかわいらしくて元気な姿の犬や猫たちばかりではありません。
中には顔に残る傷跡から、飼い主によって虐待を受けた過去をもつ保護犬もいます。辛い過去を持つ動物たちもこうして幅広く知ってもらうことで、新たな飼い主によって暖かい家族関係が築けることを待ち続けています。
フォント会社と協力して作られた「RunGoGo書体」
2021年には台湾のフォント制作会社「華康」と協力して、Something Studioで撮られた保護犬の写真をもとに、なんと欧文フォントを作るプロジェクトが走り出しました。このフォントはアルファベットのA〜Zと数字の0〜9を揃えており、犬の姿勢をアルファベットのフォルムと絶妙に掛け合わせることで、文字とワンちゃんが重なった視覚的に面白いフォントになっています。
中国語で野良犬のことを「流浪狗」と呼ぶことから、フォントの名前も「浪狗狗」という造語に因んで可愛らしく「RunGoGo」と名付けられ、現在非商用での個人利用に限り、無料でダウンロードして使用することができます。
写真家の努力によって動物愛護活動を
動物たちをフォトスタジオの環境に慣れさせ、警戒心を最低限に抑えながら、最も自然な姿を捉えるという、至難の業を成し遂げている写真の数々。展示会や特製フォントの事例から、世間の保護犬や保護猫に対する痩せ細っていて栄養失調な姿であるといった偏見を払拭するために、Something Studioが日々の活動を通して積み重ねてきた努力を、写真を通して知ることができました。
どの動物にも人知れない過去があり、地球上のかけがえのない命であるということ。こうした活動を通して、社会全体が改めて動物のいのちについて考えるきっかけになるといいですね。
では、次回もお楽しみに!
Something Studio情報
|オフィシャルサイト
https://somethingstudiotaiwan.com/
|Instagram
https://www.instagram.com/somethingstudiotaiwan/
「RunGoGo」フォントのダウンロード
https://www.dynacw.com.tw/support/support_download_detail.aspx?sid=39