【ナンスカピーポー】「絵を描いていても、死ぬ事はない」と言われ覚悟ができた(第1回 高木真希人さん)

川勝小遥
川勝小遥
2019.03.26
高木さんの作品
高木真希人さんのアクリルペイント作品

こんにちは!川勝小遥です。

川勝が「ナンスカ?」と思った人からお話を伺う連載コーナー『ナンスカピーポー』。第1回目は画家の高木真希人(たかぎまきと)さんです!

高木さんの作品には、ファンシーさを含むキャラクターたちが登場しますが「かっこいい!」や「かわいいぃ〜」だけではない個性的な魅力が漂います。アクリルペイントの作品は、フラッシュで写真を撮影したような表現が多く出てくるため、”フォトジェニックなアクリルペインティング”と評され、国内外には沢山のファンがいらっしゃいます。

そんな彼のターニングポイントとなったモノやなりたい自分、実現したい事などについて伺ってきました!

浪人時代に出会った先生や本が今の活動の基礎を築いた

高木真希人さんのアトリエ

__高木さんとは、六本木にあるCalm&Punk Garellyで、2016年に開催されたアウターサイド2展で初めてお会いしたんですよね。

そうでしたね。もうそんなに前なんですね。

 

__高木さんの作品から感じる洗練された気鋭の作風からは想像出来なかった柔らかなお人柄に、作品と共に惹かれた記憶が鮮明に思い出されます。いまアーティストとしてご活躍されていますが、原点となったものについて教えていただけますか?

私は地方都市の静岡県三島市で育ちまして、小さな頃から町の本屋で見る雑誌等の都会的な雰囲気に、強い憧れを持っていました。10代前半の頃、当時の『イラストレーション』や『美術手帖』『広告批評』等で見るクリエイティブな世界を覗く事で、自分の生活の中の痒いところに手が届く感覚があったんです。そして、いつしか美術の世界を志すようになりました。また、私が高校生の頃にアートに触れる環境といったら、雑誌や本だったんです。当時は『スタジオボイス』や『relax』が休刊する前の、紙媒体とネットの潮流が交代する過程の時期だったので、よく雑誌から情報を得てました。

それから、今の制作に対する基礎を作ったのは予備校時代なんです。高校2年から浪人まで3年間通ったのですが、最初は雑誌が好きだったので、グラフィックデザインをやってたんですが、途中でやった絵画実習で、絵の具や画材の特性を調べて自由にイメージを突き詰める喜びを知って、ファインアート科に転身しました。

当時はデザインとファインアートでは就職率も違いましたから結構葛藤があったのですが、将来を憂う私に、その時に講師が掛けてくれた言葉は鮮明に覚えています。「絵を描いていても、死ぬ事はない」と。今思えばあそこがターニングポイントでしたね。ただ、10年以上前の話なので、今の若い方には当てはまらないかも知れません。ですが、ひとつ言えるのは、美術も技能なので、技術や知識を積み上げるだけの時間は必須なのではないかと思います。

高木さんの作品

__なるほど。「絵を描いていても、死ぬ事はない」ってかっこいい生き様ですね。

予備校時代は、とにかく良い思い出しかなくて、絵の具とか、鉛筆の匂いを嗅ぐとその頃の美術に対する気持ちを忘れずにいられます。それがあるから続いていると言っても過言ではないです(笑)。

また、講師の方々には絵を描く事だけでなく様々なことを養っていただきました。美術の歴史や、沢山の古今東西のアーティストを知るキッカケを与えてくださいましたね。その過程で、良く本を勧められたのですが、その中でも多木浩二氏の『目の隠喩』は特に影響を受けています。

高木さんのアトリエ

__ 多木浩二氏の『目の隠喩』が今の作風になるキッカケなんですね。

作風のキッカケといいますか、美術、芸術に対する考え方を構築していく楽しさ、そのキッカケですね。良い雑誌のレイアウトや絵画、世の中のかっこいいものを見た際に、ドキドキやワクワクを感じる人は少なくないと思いますが、その気持ちは何なのか、何処から来るのかを言葉で考えることの楽しさ、そのキッカケをくれたのはこの本です。

そこから、社会と図像、デザインとの関係や歴史的背景に興味を持つようになりました。分野的には「美学」よりも「図像学」が好きですね。要は美術全般に関する雑学ですが、図像学は確かに今の作風にも影響を与えています。

毎回、マスターピースを生み出したい

高木さんの作品

__高木さんのなりたい自分や実現したい事について教えていただけますか?

とにかく作品を作って、自分の絵の大系を作りたいですね。その中で毎回、マスターピース(傑作)を生み出したいという思いでやってます。

また、図像学から影響を受けたところで言えば、物語以外のタイムライン表現と、絵やイラストを紐付けて表現が出来ないかと模索してます。その想いを持ってして、詳しくは言えないのですが、実現に向けて動いています。

 

__とっても気になります! そして楽しみです。ちなみに、絵を描くことからちょっとだけ離れてやってみたいことってありますか?

そうですね、趣味で音楽を作っているのですが、ミキシングや専門的な事をもっと勉強したいですね。勉強したいこと沢山あります。やらないだけなんです(笑)。

あと、ガーデニングには興味があります。祖父が、山の中に家を自分で建てて庭を作って暮らしている仙人みたいな人だったので、今思うとその山は自分の心の故郷だったんですよね。植物が鬱蒼とした感じが好きだし、何か形にしたいなという想いがあります。ターシャ・テゥーダーみたいなヨーロッパの美しいお庭の世界観も勿論好きなのですが、熱帯雨林で鬱蒼としてる植物たちにも惹かれますね!

 

__やはり! 作品から感じる汗ばむ南国気候にご自身の欲求が反映されていそうです! 最後にメッセージや告知をお願いします。

2019年の後半には個展とグループ展をそれぞれ予定しています。

今後も絵の展示はもちろん、展示以外のアプローチでも多くの方に自分の絵を見て、楽しんでいただけたらと思っています。

__ありがとうございました!

———–

次回のナンスカピーポー第2回は、アーティストのAICONさんにお話を伺う予定です。どうぞ、おたのしみに~☆

髙木真希人プロフィール紹介

髙木真希人

髙木真希人(たかぎ・まきと)
1986年 静岡県出身 現在東京在住
2010年 多摩美術大学絵画学科油画専攻 修了
〜2011年 表現集団「オル太」在籍

近年の主な展覧会
「擬似マウンテン inTokyo」Calm&Punk gallery (2019)
「絵画 |彫刻 -Portrait of an Invisible man-」nichido contemporary art (2018)
「Moonshot」FARO-Kagurazaka (2018)
「全日本びっくりアート連合」高円寺FAITH (2018)
「Nice Corm!!」ANAGRA (2017)
「アウターサイド2」Calm&Punk gallery (2016)

リンク集
Instagram
https://www.instagram.com/makitotakagi/?hl=ja

ポータルサイト
http://makitotakagi.web.fc2.com/hermitstudy/top.html

ドローイングブログ
http://makito-dailydrawing.tumblr.com

川勝小遥
WRITER PROFILE

川勝小遥

1990年生まれ京都市出身。空間演出作家、兼アートキュレーター。見た目は派手だけど、根はすっごく真面目。ドバイやバナナに興味津々。

Twitter:@1126koharu
Instagram:@koharu_kawakatsu

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