みなさん「アブラカタブラ」という言葉を聞いてどんなイメージが浮かびますか?
「魔法使いが使う呪文みたいなもの?」
「ハリーポッターででてくるあの呪文?」
「ディズニーでも魔法の呪文として出てくるけど…」
そう、「アブラカタブラ」って「魔法」にかかわるいろんなシーンででてきますよね?でも、実際「アブラカタブラ」ってどんな言葉かと言われると言葉に詰まってしまう…。
今回は、いろんなところで耳にするけど正体不明の「アブラカタブラ」についてご紹介します。何か新しい発見があるとうれしいです!
「アブラカタブラ」の意味
ちなみにこの記事を書いている筆者は「アブラカタブラ」と聞くと米米CLUBのカールスモーキー石井が「アッブラカタ~ブラ~♪」と陽気に歌う様子が浮かびます。
人によって全然違うと思うのですが、それだけ広くいろんなシーンで使われているからでしょう。
「アブラカタブラ」の現代での意味を調べてみると…
アブラカタブラ :①魔よけの呪文。
②わけのわからないこと。ちんぷんかんぷん。
と、表現されています。「魔よけの呪文」という意味はしっくりきますよね!現在でも、よく使われるのは、魔法使いや魔法に関わる場面が多いですから。
ただ、2番目の「わけのわからないこと」や「ちんぷんかんぷん」は、「?」としっくりこない方も多いのではないでしょうか。
こちらの方の意味は、どうやら「アブラカタブラ」の歴史と深い関係がありそうです。
「アブラカタブラ」の語源
「アブラカタブラ」が初めて書物に登場するのは2世紀のセレヌス・サンモニクスという文献だといわれています。その語源には諸説あり、厳密な部分は不明だとのこと。
アラム語の「私は言葉のごとく物事をなせる」
語源のひとつにあげられているのが、アラム語です。アラム語はメソポタミアで紀元前から用いられていた言葉。「私は言葉のごとく物事をなせる」という言葉とおり、言葉によって何か作用を起こしてしまう、まさしく「魔法の言葉」としての意味があります。
アラム語の語源説にはもうひとつあって、「この言葉のようにいなくなれ」という説もあります。「アブラカタブラ」が病気の治療にも使われていたことを示唆しています。
ハリーポッターでヴォルデモートなどが使う「アバダ・ケダブラ」も、アラム語が由来とされています。「死の呪い」の呪文で一瞬で相手の命を奪う呪文として有名ですよね。
ヘブライ語「私が話すように物事が創造する」
ほかにも有力な語源と考えられているのがヘブライ語です。アラム語とも近い意味を持っていて、まさしく「魔法の言葉」ですよね。
ヘブライ語では、ほかに「祝福と疫病」から由来しているという説もあります。
「アブラカタブラ」は病を治す呪文だった?
さきほどもお伝えした「アブラカタブラ」が初めて登場するセレヌス・サンモニクスでは、「アブラカタブラ」は致命的な病気を消滅させる呪文、お守りとして紹介されています。
「アブラカタブラ」のアルファベット表記「ABRACADABRA」を三角形のかたちで、その文字が1文字ずつ減っていくように書き、それをお守りにしていたようです。
不思議なことで「ABRACADABRA」を1文字ずつ減らして書いていくと、上辺には「ABRACADABRA」、左辺は「AAAAAAAAAAA」という文字が並ぶのですが、文字が減少する右辺も「ABRACADABRA」という文字の並びになります。
「アブラカタブラ」の持つ文字の力と、この表記の神秘的な並びに、古代の人々は神のような治癒の力を感じたのかもしれません。
ちなみに、意味の部分でご紹介した「わけのわからないこと」とは、このような意味不明なアルファベットの並びからきていると言われています。
「アブラカタブラ」の現在での使われ方
現在では医術も発達したことから、「アブラカタブラ」を治癒の呪文として使う機会はほとんどありません。
一方で、何か普通ではおこりえない「魔法」的なことがおこるときの「呪文」としては、現在でも聞くことができます。
ハリーポッターなどの魔法の映画でもそうですよね。ディズニーランドでは「ミッキーのマジック☆ワールド」などで「アブラカタブラ」と唱えるとミニーの身体が宙に浮いていくアトラクションなどでも使用されています。
何か不思議なことがおきそうな予感をおこしてくれる「アブラカタブラ」。これからもその神秘的なイメージでわたしたちを楽しませてくれることでしょう。