ビジネスの現場では、会議やクライアントとの会話などいろいろなシーンで、カタカナのビジネス用語をよく耳にします。そのなかには、多くの人に使われることにより、日常生活でも利用される言葉もありますよね。
今回は、そのような言葉の一つである「メソッド」について紹介します。〇〇メソッドなどで一般でも使われるようになった言葉ですが、実は使われるシーンによっては異なる意味合いもあるんです。
「メソッド」ってどういう意味?
まずは、一般的に使われているメソッドの意味から、調べていきましょう。
「絶対にやせる〇〇メソッド」とか、「英単語が簡単に頭に入る〇〇メソッド」などで使用されている場合での意味です。
メソッド【method】〔メソードとも〕 目的を達成するために決められたやり方。方法。方式。
引用元:コトバンク『大辞林第三版』より
メソッドは、上記のように「方法、方式」のことを指しています。メソッドという言葉を聞き慣れていないと難しく感じてしまいますが、英語の「method(メソッド)」をそのまま使用しているだけ。
そのため、「方法」や「方式」と置き換えると、理解しやすくなります。
ビジネスシーンでのメソッド
ビジネスシーンでのメソッドは、仕事の生産性の向上や、成功へと道にいてくれる方法論という意味合いで用いられます。代表的なビジネスメソッドとしては、PDCAサイクルやOODAループ(ウーダループ)がありますよね。
PDCAサイクルとは、P(Plan、計画)、D(Do、実行)、C(Check、評価)、A(Action、改善)を繰り返していくことで、仕事を改善し、生産性を向上していく手法です。
一方、OODAループは、PDCAサイクルに代わるメソッドとして近年注目を集めています。O(Observe、観察)、O(Orient、情勢への適応)、D(Decide、意思決定)、A(Act、行動)をループさせながら、課題の達成へと進みます。
このように、ビジネスシーンでは、多くのメソッドが取り入れられています。
日常生活でのメソッド
ビジネスシーンでメソッドが広まっていったことにより、日常生活でもメソッドが利用されるようになりました。
たとえば、ヤマハメソッドやコナミメソッドなどがあります。ヤマハメソッドはヤマハ音楽教室で、コナミメソッドはコナミスポーツで展開されている音楽学習方法・運動方法。
「ヤマハ方式」、「コナミ方法」と呼ぶより、言葉の響きに何か特別感を感じませんか?新しい方式・方法を広めていこうとするときに、ネーミングはとても大事な要素です。使い古されてしまった言葉より、ビジネスシーンでも使われる言葉を使うことにより、プレミア感を出しているのかもしれません。
実はプログラミング用語としてもよく使われる「メソッド」
このように、ビジネスや日常生活で使われているメソッドですが、実はIT業界でもプログラミング用語として使用されています。
プログラミング用語としてのメソッドは、下記のような意味です。
メソッド【method】〔メソードとも〕 オブジェクト指向プログラミングにおいて、オブジェクトに対する操作を定義した手続き。メソッドをオブジェクトの属するクラスに定義するプログラミング言語が多い。
引用元:コトバンク『大辞林第三版』より
「オブジェクト指向プログラミング」などと言われると「?」となってしまいますよね?
簡単に言うと、エクセルなどで足し算や引き算をするときに用いる「関数」に近い用語です。オブジェクト指向プログラムにおいて、関数と同じような書き方をされたものが、メソッドとなっています。
このようにIT業界では、メソッドは「方法、方式」という意味に比べ、より具体的な意味合いをもっているんです。
エンジニアさんと話すときには気をつけよう!
そのため、プログラミングに精通したエンジニアさんと会話する場合には注意が必要です。普段通り「メソッド=方法、方式」とのみ理解していると、齟齬が生じてしまうリスクがあります。
メソッドの厳密な意味まで理解している必要はありません。方法や方式とは違う意味があることだけは頭にとめておいて、エンジニアやSEの方との会話で「メソッド」が出てきたら、意味について確認するようにしましょう。