2019.12.01

「檄を飛ばす」と「活を入れる」は同じ意味じゃないの?間違いやすい言葉を紹介!

げきとかつ

言葉は、人々の生活で使われていくなかで、日々変化しています。そのような言葉のなかには、もともとの意味から変化しているものや、他の言葉と混同されたりしているものも存在します。

今回取り上げる言葉は、「檄を飛ばす」と「活を入れる」。

同じような意味じゃないの?」と思われがちですが、実は、異なる意味をもつんです。それぞれどのような意味なんでしょう?本来の意味と例文などを紹介しながら、解説します。

「檄を飛ばす」の意味って?

げきをとばすの意味

檄を飛ばす」という言葉を見たり聞いたりすると、「エネルギーを注入して、元気にしよう!」という感じを受けませんか?

実際の「檄を飛ばす」は、このような意味となっています。

檄を飛ばす(げきをとばす):自分の主張や考えを広く人々に知らせ同意を求める。また、それによって人々に決起を促す。飛檄。

引用元:コトバンク『デジタル大辞泉』より

」とは、中国や日本の古代に使われていた文書の一つのかたちです。例えば、悪政を施く権力者に対抗するため、全国に権力者打倒の手紙を送るとき、その手紙のことを「檄文」と呼んでいました。

そのため、文章の内容は激しくなりがち。このことから、本来の意味ではない「元気づける」という意味が定着していったのかもしれません。

一方、「活を入れる」の意味は…?

かつをいれるの意味

それでは、「活を入れる」とはどういう意味なんでしょうか?

活を入れる(かつをいれる):①柔道などの術で、気絶した人の息を吹き返らせる。

②刺激を与えて元気づける。「人事異動で組織に・れる」

引用元:コトバンク『デジタル大辞泉』より

活を入れる」は、もともと柔道などで、気絶した人に息を吹き返させる行動のことを指しています。その意味が転じて、「刺激を入れて元気づける」ことを指すようになりました。

多くの人が「檄を飛ばす」と「活を入れる」から感じる「元気づける」という意味は、本来、「活を入れる」が意味していたんですね。

漢字も間違いやすい

檄を飛ばす」と「活を入れる」、それぞれ意味を間違いやすいまぎらわしい言葉なのですが、さらにこの2つの言葉を間違いやすくさせている要素があります。

それは、両者ともに「漢字」も間違いやすいということです。

「檄」?それとも「激」?

「檄を飛ばす」の「檄」は木へんの「檄」。よく間違われる漢字に「激」があります。こちらはさんずいの「激」です。

普段わたしたちは、さんずいの「激」を使います。「激しい」とかが典型的ですね。こちらの単語と混同しがちなので、漢字も言葉から受けるイメージも間違いやすくなっています。

「活」と「喝」

か~つっ!」と言えば、日曜午前の情報番組で、元プロ野球選手で野球評論家の張本勲さんがよくいう言葉。こちらに漢字を当てると「喝~つっ!」です。

この言葉もあって、「活を入れる」は「喝を入れる」と間違われやすくなっています。

「喝を入れる」という言葉、辞書をみると「活を入れる」の誤用という記載のみとなっている辞書が多く、あまり一般的に使われる言葉ではありません。

一喝する=大声でしかる」という言葉はあるんですけどね。

例文を使ってしっかり理解しよう

勉強しよう

このように、「檄を飛ばす」と「活を入れる」は意味的にも漢字の表記的にも間違いやすい言葉です。

間違って使っているうちに、誤用が本来の意味と取って代わることはよくあることなのですが、それにはもう少し時間がかかるかもしれません。

公的な場面での発言や、商談などビジネスシーンでの間違った使用は、恥ずかしい思いをしてしまうこともあるため、できるだけ本来の意味で使いたいものです。

誤用をさけるには例文が一番!ということで、最後にそれぞれの例文をご紹介します。

「檄を飛ばす」の例文

・今年のノルマを達成するため、社長は全従業員に檄を飛ばした
・大会で上位進出をするために、監督は選手へ檄を飛ばした
・消費増税を阻止するため、選挙に勝とうと国民に檄を飛ばす

「檄を飛ばす」の本来の意味は、「自分の主張を広く周知させ、決起を促すこと」です。何かの目標に向けて、広くさまざまな人へ主張を届けるような、上記のシーンに適しています。

「活を入れる」の例文

・仕事で失敗した後輩に活を入れるため、飲みに誘った
・恩師の言葉が、私に活を入れてくれた
・大敗した試合後、落ち込む選手達に監督が活を入れた

「檄を飛ばす」が、何かの「目標」へ向けて進もうというニュアンスが強い一方で、「活を入れる」は、落ち込んでいる・元気がない「」へ向けての励ましのニュアンスに重きが置かれます。

主な対象が「目標」か、「人」かという点が、誤用しないためのキーポイントになりそうですね。

また、「間違ってはいけない」と思うと窮屈になってしまいます。「言葉を使い分けるだけで、こんなにもニュアンスを変えて表現できるのか~」と楽しんでいただけると幸いです。

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ナンスカ編集部

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"日常の「何それ?」を楽しむメディア"ナンスカの編集部です。

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