一歩足を踏み入れると、そこは都会のオアシス。都心のオフィス街では感じられないような心地よい時間が流れている東京の下町。みなさんは「下町」と聞いてどのようなイメージを浮かべますか?
歴史あるお寺や神社。または風情のある商店街など、人それぞれが想う「下町」の姿があるのではないでしょうか。
今回はそんな東京の下町の魅力を、少しユニークな視点で紹介していきます。それは「ものづくり」。実は東京の下町には、個性豊かなものづくり企業たくさんあるのです。
そしてなんと、先日上野駅で開催された「したまちのクリスマスマーケット」にものづくり企業が大集結。その様子を通して「東京の下町」の魅力をお伝えしていきます。
![したまちのクリスマスマーケット](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/f2122d2ed23b5fa5254cf589ceb947b5.jpg)
創意工夫が凝縮。そこにはたくさんのエジソンがいた
「したまちのクリスマスマーケット」は、ものづくり現場と日常を繋ぎ、東京の下町に触れるきっかけとなるイベントです。
「台東区」「足立区」「荒川区」「葛飾区」の企業が有する熟練技術や高度な技能を活かした産業活性化を支援する東京TASKと、台東区の皮革関連産業を支援する台東ファッションフェアの主催で実施されました。
大ヒットしたドラマ「下町ロケット」でお馴染みとなった、町工場の情熱的なものづくり。まずは、自身の技に賭ける匠たちがつくりだした「下町の発明品」をご紹介します。
株式会社木具定商店
![株式会社木具定商店](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/9c5e4df651cae512341728b7af95188b.jpg)
折箱製造の技術と伝統を継承し、無公害な木材を使用して健康と安全を優先した製品作りをモットーとしている株式会社木具定商店 。
環境への配慮から、飲食店ではプラスチック製のストローが少なくなってきましたね。そんな中、見た目や手触りで心を和ませてくれる「杉のストロー」です。香りも良く、使っているだけでリラックスできそう。
有限会社高田紙器製作所
![高田紙器製作所](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/a85da72ac872df5990412c92d3aaf449.jpg)
紙の特性を活かし、平面から立体的への変化を楽しめるPOPUPプロダクトを製作している有限会社高田紙器製作所。名刺や会社案内、そして絵本に至るまで、それらはアート作品の域です。
有限会社プリント・アート
![有限会社プリント・アート](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/b6be49b0117ce2a9c7acf2ed9e887250.jpg)
有限会社プリント・アートは、人の心に感動を呼び起こすアートをテーマに制作を行うデザイン会社。
技術とアイディアを融合したユニークなプロダクトを世に送り出しています。例えば、車の運転中に使える「ありがとうランプ」。車線変更時など、後続車にお礼の意味で表示させるハザードランプですが、このプロダクトは「ありがとう」という文字で感謝の気持ちを視覚的に表すことができるのです。
石川金網株式会社
![石川金網](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/aa30e2170f07fcead356f44e7a4dbf9a.jpg)
美しい折り鶴のイヤリング。何でできていると思いますか?実は「金網」なのです。しかし、ただの「金網」ではありません。様々な造形を折って創って楽しめる「おりあみ」です。
1922年の創業から90年以上、金網の製造・販売を行ってきた石川金網株式会社。「おりあみ」は、工業用途としてフィルターなどに用いられていた金網を、文具やホビー用品に活用できる折り紙のようにしたプロダクトです。
人がつどい、ものづくりが楽しめるまち「台東区」
「台東区」とその周辺の下町エリアは、江戸の昔から職人が集まり、装身具や生活用品が作られてきました。昭和期に入ると、帽子やアクセサリーや革製品など、生活様式の移り変わりに合わせて、服飾雑貨産地として発展を遂げてきたのです。
その伝統技術は現代でも脈々と受け継がれています。ここからは、古き良きものと新しさを融合させた「粋な日用品」を紹介していきます。
みなかわねこ
![みなかわねこ](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/30528987ad618e57de7d1297468253ec.jpg)
猫と縁起物をモチーフに製作活動をしているクリエイターみなかわねこ。
みなかわねこのプロダクトは日常にそっと溶け込み、穏やかな笑顔と心豊かな時間をうみだします。それはまるで、自由気ままな姿で疲れた心を癒してくれる猫のよう。
株式会社山藤
![株式会社山藤](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/5cd132b078cdf333c8cd97d2fd103679.jpg)
明治32年(1899年)から続く、革財布の工房である株式会社山藤。手間暇を惜しまない製作工程に誇りを持ち、革の裁断から縫製、そして仕上げまでを、すべて日本の職人が丁寧に手作業で行っています。
伝統技術と現代のテクノロジーを融合させ、手にした人の感性を揺さぶるプロダクトをうみだしているのです。
![山藤 店舗-外観](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/b5821a787463e059e0349a971debff2e.jpg)
浅草を散策していると、つい足を止めてしまうアートギャラリーのような実店舗。モダンな様相でありながらも趣のあるファサードや木戸、バランス良く店先を彩る植物の色合いに、不思議と下町の情緒が溢れています。
![](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/94aac0f385d562a798fc204a814a2d7a.jpg)
店内では、創業当時から使用していた什器や加工機が山藤の歴史を語っているのです。特に説明が無くても、まるで博物館で出会ったかのように、商品から物語が伝わってきます。
株式会社三和袋物
![三和袋物](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/b0d3705f7d06a0d3eb51f0e4d0096d5f.jpg)
革業界の料理人として旬の材料を選択し、鍛え上げた熟練の職人が商品を生み出している株式会社三和袋物。革の可能性を最大限に引き出したものづくりで魅せるプロダクトをうみだします。あなたの一生モノに出会えるかも。
有限会社清川商店
![azzuni(清川)](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/5c46bd3b102b49f98fd6ad85535b0bae.jpg)
店舗に工房を併設するバッグメーカーである有限会社清川商店。
一点一点丹念につくりこまれたバッグたちは、それぞれが味わい深く歳をとっていくのです。使う人と共に時を重ね、より生活に密着したものへと変化していきます。
![清川 店舗ー外観](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/29e8ffc7ff2ca26f503e8ffb764a7ac9.jpg)
味のあるバッグたちが顔を覗かせる吾妻橋の実店舗。タイミングがよければ、手入れの行き届いた道具を、華麗に使いこなす職人の姿を観ることができるかもしれません。
![清川 店舗ー内観](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/46966731931fe11e08175a12acfa26cb.jpg)
たくさんのバラエティに富んだバッグが並ぶ店内は、まるで宝石箱のよう。一つ一つ手に取って、細部に宿る職人技をご覧ください。
株式会社Verb Creation
![Reverb Project(toe style works)](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/1c4d042d27e5c3afa78b2b0c1cb7cdd6.jpg)
流されず抗わず自分の物差しを持ち選ぶことを楽しめる女性のために、アパレルブランドのコレクションシューズなど、斬新かつ旬なアイテムを数多く手がけてきた靴メーカーである株式会社Verb Creation。
![toe style works 店舗ー外観](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/52a502f13ed00f634c79c7ab2c5c89fc.jpg)
千駄木の実店舗の前を通りかかると、上品に並んだ靴たちが視界に飛び込こんできます。つい足を止めて立ち寄ってみたくなりますよね。
![toe style works 店舗ー内観](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/5bac65480f4ac19b2d3f7d6bca46261f.jpg)
店内では、それぞれの個性をもった靴たちがお出迎え。サイズがとっても豊富なので、きっとあなたにピッタリの靴に出会えるはず。
株式会社猪瀬
![Flathority](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/Flathority.jpg)
1952年に東京葛飾で創業し、半世紀以上に渡り国内有名ブランドの鞄を数々制作してきた鞄メーカーである株式会社猪瀬。創業以来国内での生産体制を守り続け、ジャパンクオリティを継承しています。
相川商事株式会社
![Aykc](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/Aykc.jpg)
創業以来50年、革と真摯に向き合い続けてきた相川商事株式会社。
素材から伝わる柔らかさや温かみを通して、多くに人に至福感を提供しているのです。
株式会社ニチマン
![LIBERTY HOUSE](https://www.nansuka.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/LIBERTY-HOUSE.jpg)
雨の日はもちろん、思わず毎日履きたくなる優しい履き心地にもこだわった靴をつくる株式会社ニチマン。
うみだされるプロダクトは、高い防水耐久性と透湿性能を併せ持つ上質な素材と、職人の丁寧な手仕事が融合した結晶です。
気の向くまま。仕事帰りにふらっと「旅」してみませんか?
とっても身近で素敵な場所である「東京の下町」。普段は、知人が住んでいるとか、お気に入りの飲食店があるなど、目的がないと足を踏み入れないかもしれません。
でも、あえていつも通らない道に入ってみると、そこには意外な発見が待っているかも。気になった店で職人さんとの会話を楽しんでみるもよし。また、ちょっと勇気を出して、町工場を覗いてみるなんてどうでしょう。そのような些細なきっかけが、あなたの予想していなかった人生の扉を開けてしまうのかも。
最近は中々多人数での遠出ができないご時世ですが、こんな時だからこそ、東京の下町で「仕事帰りにふらっと行ける一人旅」なんてどうでしょうか?