みなさん、こんにちは。半分台湾人のSeikyoです。
今回は、台湾の歴史博物館が発売した、日々アートを感じられる壁掛けカレンダーについてご紹介したいと思います。
早速みていきましょう!
歴史博物館の2022年カレンダー「時光色盤」
台北市に位置する台湾の歴史博物館は略して「史博館」とも呼ばれ、1955年に創設されて以降、歴史に関する文物や芸術品の数万点ほどが収蔵されてきました。近年ミュージアムオリジナルの商品を積極的に開発しており、今回手がけたのが2022年の月めくりカレンダーで、日にちを確認する用途だけでなく、毎月博物館に所蔵されている展示品をお部屋の中でも鑑賞できるといった、ギフトにも相応しい商品を発売しました。
手提げ袋から取り出して1枚目に出迎えてくれるのは、画家の馬白水(1909-2003)さんの作品「太魯閣之美(タロコの美)」。南国の色鮮やかな世界を彷彿させるようなカラー盤で、台湾東部の「タロコ峡谷」を描いた絵画作品の「色」を再構成しています。
さまざまな所蔵品の配色を抽出した美学
博物館が所蔵する展示品もさまざまで、油絵などの絵画作品から、青銅器、陶磁器、織物など、平面的なものから立体的なものまで、実に多領域に跨いで所蔵しています。今回カレンダーを制作するにあたって、月の数に合わせて合計12点の展示品がセレクトされ、作者の独特な色彩感覚や作品の配色など「色」をテーマに、カレンダーが構成されることになりました。
またデザイナーなど色を使った仕事をする人たちのために、それぞれの作品のCMYKやRGBなどといったカラーコードも掲載されており、創作活動をするにあたっての配色の参考にすることもできます。
色と光の変化を楽しめる工夫
「インタラクティブなものを作り上げたい」と、博物館とクリエイティブチーム「BDG大日嘉」の間で共通の認識が取れた末、自ら組み立てて楽しめるおもしろい構造にデザインされています。
このカレンダーは合計4つの階層からなっており、一番下が菱形の厚紙でカレンダーの基盤となる部分です。その上に3つの丸い紙を重ねてカレンダーとして仕上がりますが、一番下がその月の日付表示と博物館の所蔵品がプリントされたカードになっています。その上に所蔵品の配色をモダーンに円盤状に再構成したカード、さらに一番上にはその月の数字を表した一番小さい紙で構成されています。星座早見盤を思わせるような、おもしろい構造になっていることがわかります。
特に2枚目はスタイリッシュなグラフィックになっていますが、もちろん所蔵品をメインにお部屋に飾りたいという人は、2枚目のカードを抜き出した状態でも飾ることができます。
また2枚目のカラー盤はアルミ箔で加工された紙を使用しているため、光の当たる角度によっては異なる反射具合を映し出し、朝から夕方にかけての光の変化をもとに時間の変化を感じるという「光」のコンセプトもこの作品には込められているのです。
生活空間の中に、身近にアートを取り入れる
歴史博物館に所蔵されている文物は、その多くが昔の暮らしの中に存在していた生活用品や伝統工芸品です。おうち時間が増えた今のご時世だからこそ、博物館の中だけでなく、日々の暮らしの中でも眺めることで、一つ一つの展示品が最大限にその美しさや芸術的価値を発揮できるように考えられた商品だと思います。
また自分も一人のクリエイターとして創作活動に行き詰まった時にこそ、そっとカレンダーを見上げて、その絵画作品や陶磁器の模様や形・色からでも、何かしらのインスピレーションを得られるような使い方ができるものとして、このカレンダーにはそういったポテンシャルも秘めていると感じました。
では、次回もお楽しみに!
|台湾歴史博物館オンラインショップ
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