「博士」と聞くとなんだか頭が良さそうなイメージがありますよね。大学の教授? 研究者? いろんな妄想が膨らみます。そして5月7日は「博士の日」に制定されています。なぜこの日になったのか気になりますよね。
そこで今回は「博士の日」について紐解いていきたいと思います!
この日になった由来とは?
「博士の日」は1888年5月7日、日本で初めて初めて博士号が授与された日にちなんで制定されました。授与されたのは植物学者の伊藤圭介、数学者の菊池大麓、物理学者の山川健次郎など25人。当時は論文の提出などもなく、「名誉博士」として認識されていました。
また3年後から論文の提出が義務付けられ、現在のような形式に変わったようです。論文の提出については後ほど解説をします。
博士ってどうやったらなれるの?条件は?
博士は世界中の教育機関の中で、最高位に位置しています。戦前の日本では帝京大学のみ博士号の授与が許され、希少価値の高いものでした。
現在の日本では、大学院の博士課程や博士後期課程がある高等教育機関で研究を行い、研究結果を論文として提出。その後、研究者の審査をクリアした人だけが博士になれます!
また大学院の博士課程(論文博士)には、授業やテストは存在しません。研究の結果と論文が全てになります。よって、どんなに真面目に勉強をして、無遅刻無欠席でも論文がダメなら博士になれません。逆を返せば、学校にほとんど来なくても、研究と論文が認められれば博士になることができるのです。
もうひとつの『博士課程(課程博士)』に関しては、授業の出席やテスト、論文も必要になります。目指している方は間違わないとは思いますが、気をつけたいところですね!
博士になっても就職難な日本
博士課程を修了した人の多くが大学教員志望します。
しかし少子化の影響で大学職員に就職できる人はごくわずか。博士号の取得者は年々増えていますが、大学職員の求人は減っていく一方なのです。そのため、ほどんどの人が企業への就職や非正規雇用で大学へ残る形になっています。
東洋経済オンラインの記事52歳大学非常勤講師「年収200万円」の不条理にもありましたが、どんなに優秀で数々の本を出版した人でも大学の職員になれない現実です。
戦後はベビーブームや高度経済成長もあり、大学教員の需要も有り余っていました。需要に供給が追いつかない状況でしたが、現在は需要がほとんどありません。
医学博士(医者)以外の博士は就職が難しい時代になりました。頑張った人が報われないのは非常に悲しい事実ですよね。もっと活躍できる場が増えてほしいと願います!
「博士」「修士」「学士」の違いとは?
博士の意味は理解したけど「修士」や「学士」など、他の学位とどんな違いがあるのか気になりますよね。どれも頭が良さそうなイメージがありますが、実際はどんな意味を持っているのでしょうか?
博士
学位の中で最も最上位とされる称号です。日本では2つの博士があり、大学院の博士課程を修了した「課程博士」、論文を大学院に提出し認められた「論文博士」があります。
修士
修士は博士に次いで、2番目に高い称号です。大学院の修士課程を修了した人のみに与えられる学位になります。
学士
学士は大学で定められた単位を取得し卒業した者に与えられる称号です。また大学を出ていなくても、学位授与機構に大学卒業と同等の知識があると認められた場合は学士も授与されることもあります。
筆者である私も大卒ですが、実は学士だったんですね。「学士です」と自慢したいと思います(笑)。
「博士」についてご紹介してきましたが、改めて博士になるためには大変な努力が必要だとわかりました。
そして博士がもっと認められる時代になって欲しいと感じました。努力をした人が報われないのはちょっと悲しいですもんね。
私も学士としての誇りを持って、働いていこうと思います!