2021.04.13

江戸時代に妖怪が大流行!?妖怪とはいったい何者なのか?起源や幽霊との違いを徹底解明

『道外浄るりづくし 阿漕浦』プラハ国立美術館所蔵 国際日本文化研究センターより提供
『道外浄るりづくし 阿漕浦』プラハ国立美術館所蔵 国際日本文化研究センターより提供

妖怪と聞くとみなさんは何をイメージしますか? 古くから日本人にとって馴染み深く、妖怪を題材にした作品は多数存在しますが、その姿かたちは未だ明確になっていません。「妖怪ウォッチ」のように、かわいくポップなキャラクターもいれば、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」のように、どこか恐ろしい姿をした妖怪もいます。

まだまだ解明されておらず謎に包まれている存在ですが、妖怪の定義やルーツはどうなっているのでしょうか。今回は、そんな妖怪が時代を超えて愛されている秘密に探ります。

妖怪とは?

『百鬼夜行絵巻 部分2』国際日本文化研究センター所蔵
『百鬼夜行絵巻 部分2』国際日本文化研究センター所蔵

妖怪とは、人間の理解を超えた科学では説明できない、超自然的な現象や存在のこと。科学や医療が発展していない時代の人々にとって、災害や病気はとても「不思議」なできごとでした。昔の人は、こうした超常的な事象を妖怪のしわざとして理解していたようです。

古くから日本には、あらゆるものには神が宿る「八百万の神」の考え方があります。昔話で、大嵐の山を見たお爺さんが「ああ、山の神様がお怒りじゃ……」とつぶやいているのは、山には山の神が宿っていると考えられていたからです。もちろん豊作など、神様は良いことも叶えてくれます。

妖怪と神様はかなり近い存在で、嵐や地震などの直接的に怖ろしい出来事には「神様」、よくわからない不気味な恐怖には「妖怪」を当てて納得していたのかもしれません。

妖怪と幽霊の違い

『怪物画本 死霊』国際日本文化研究センター所蔵
『怪物画本 死霊』国際日本文化研究センター所蔵

ところで、みなさんは妖怪と幽霊の違いを明確に説明できますか?どちらも実在するかわからない謎の多い存在ですよね。

実は妖怪と幽霊の違いについては、さまざまな考え方があり、多くの学者が独自の見解を述べているのです。民俗学者の柳田國男は、「特定の場所に出現するのが妖怪、特定の人前に出現するのが幽霊」、国文学者の諏訪晴雄は「人の属性を備えて出現するのが幽霊、人以外のもの、もしくは人が人以外の形をとって出現するのが妖怪」と定義しています。

まとめると、人の形をしており、特定の人前に現れて怨念を晴らすのが幽霊。人以外の姿をしており、特定の場所で不特定の人前に現れるのが妖怪になります。

妖怪の起源は奈良時代

『田原藤太秀郷』国際日本文化研究センター所蔵
『田原藤太秀郷』国際日本文化研究センター所蔵

奈良時代に書かれた「古事記」や「日本書紀」には、大蛇(ヤマタノオロチ)や鬼が登場し、妖怪の起源になったとされています。

平安時代には「今昔物語集」や「宇治拾遺物語」など怪異にまつわる説話集が編まれました。この時代、妖怪のたぐいや怪異については文章で書かれており、姿かたちまで描いたものはありませんでした。

中世には妖怪の姿を描いたものが登場

『付喪神絵巻 2巻』京都大学附属図書館をもとに作成(https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/)
『付喪神絵巻 2巻』京都大学附属図書館をもとに作成(https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/)

鎌倉時代〜室町時代には、物語絵や絵巻物が制作されるようになり、妖怪の姿かたちが表現されはじめたのです。室町時代の作品である「付喪神絵巻」には、小道具たちが捨てられたことに腹を立て、妖物に変化した様子が描かれています。人間に復讐を試みるが仏教の神様に見つかってしまい、最後は改心、成仏していくのです。

江戸時代には妖怪が大流行

『麻疹後の養生』国際日本文化研究センター所蔵
『麻疹後の養生』国際日本文化研究センター所蔵

江戸時代に入ると、妖怪ブームが到来。幽霊や妖怪を描いた浮世絵が多数創作されました。菱川師宣や歌川広重など、江戸時代を代表する浮世絵師の作品にも妖怪が登場しています。

浮世絵には、おどろおどろしい妖怪から、かわいいキャラクターのような妖怪まで登場します。現代のような妖怪に対する自由なイメージは、当時の大衆文化であった浮世絵が大きく影響しているのでしょう。

日本文化として妖怪を楽しむために

『画本西遊記百鬼夜行ノ圖』国際日本文化研究センター所蔵
『画本西遊記百鬼夜行ノ圖』国際日本文化研究センター所蔵

1000年以上もの間、日本人に親しまれてきた妖怪。現代では、妖怪の存在を信じている人は少ないと思いますが、アニメや漫画など娯楽として楽しむ人が多くなりました。最近では、新型コロナウイルスの影響により、疫病から守ってくれる妖怪「アマビエ」がSNSを中心に大流行。

日本全国に妖怪の説話は残っており、全国で妖怪を楽しむスポットやイベントが開催されています。どこか不思議でチャーミングな妖怪の世界をあなたも覗いてみてはいかがでしょうか。

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谷口純平

谷口純平

福岡在住。伝統工芸など日本文化を中心に活動。夢は「小学生のなりたい職業ランキング」の10位以内に"職人"をランクインさせること。折り紙は結構得意です(折紙講師資格取得)
Twitter:@jumpaper_inc

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