今から約1500年前、飛鳥時代に「香」の文化は日本に伝えられました。仏教が日本に伝来されるのにともない、大陸から伝えられたといわれています。
日本の最古の歴史書である『日本書紀』には、「淡路島に漂着したおおきな香木を燃やしたところ、その煙が遠くまで薫った」と記されており、このおおきな香木は朝廷に献上されたといいます。この頃の香は、邪気祓いなどといった宗教的な意味合いが強いものでした。
時代が進み、平安時代の頃からは「香りを楽しむ」意味合いが強まってきます。衣服や手紙に香を焚きしめ、現代でいう香水の役割を果たしました。その後、武士が登場する時代になると、香を鑑賞する香遊びや、香道として確立。江戸時代には庶民にも「お線香」としてお香の使用が広まっていきました。
現在、お香は手軽に楽しめる香りのアイテムとして、広く愛されています。その形も、香りも、現代のストレス社会に合わせたものや、西洋の香りをつめこんだものなど、多種多様なものから選べるようになりました。
そんな現代のお香の新しいカタチとして今回紹介するのは、薫寿堂が製造・販売する「AROMA Cord」。その名前の通り、カラフルなひも状のお香です。
焚いて、結んで、香らせて。えっ、あんな使い方も?
「AROMA Cord」は、見た目にもかわいらしい、ひも状のお香。パッケージはまるで手芸屋さんにならぶ色とりどりの縫い糸のようです。糸はコットンでできていて、やわらかく、簡単に結ぶこともできます。
お香の基本は「焚く」こと。「AROMA Cord」に火をつけて吹き消せば、空間に香りが満ちてきます。紐の長さは自由自在に変えられるので、焚く時間を調整可能。ちょっと出かける前に5分リラックスタイム……、なんていう使い方もできますね。
ご祝儀やお香典を包むときの「水引き」として、プレゼントのラッピングリボンとしても使えます。「AROMA Cord」そのものがほのかに香るので、プレゼントなどに香りも移り、プラスワンの心添えになりそうです。
なるほど……と唸ってしまったのが、アクセサリーとして応用する使い方。ひも状である特性を活かし、ビーズやとんぼ玉を通してブレスレットにしたり、髪の毛に編み込んだりすることもできますよ。アクセサリーからほのかに香るので、香水のかわりに身につけるのもよさそう。
ラインアップは全9種。色で選んでもよし、香りで選んでもよし。1つ800円(税別)というお手頃価格で、香りもの好きな人へのプチギフトとしても重宝しそうです。
お香のはじまりの地で作られる、新しいお香のカタチ
「AROMA Cord」を製造・販売する薫寿堂は、兵庫県淡路市に本社をかまえる、老舗のメーカーです。創業は明治26年。古くからの伝統を守りつつ、「AROMA Cord」のように先進的なお香のカタチを模索し続けています。
兵庫県淡路市といえば……。先述した、『日本書紀』での一節を覚えていますか?
「淡路島に漂着したおおきな香木を燃やしたところ、その煙が遠くまで薫った」
──そう、淡路市はお香のはじまりの地なのです。
現在も、淡路市にはお香メーカーが多く所在しており、薫寿堂もそのメーカーのひとつ。淡路市のあちこちに建つお香の工場のそばを歩けば、よい香りが周りじゅうに漂っています。
そんな薫寿堂では、工場見学やお香作り体験教室も受け付けているのだそう。かくいう筆者も、実は幼いころに薫寿堂さんの工場見学にでかけたことのある一人。よい香りに満ちた工場は、足を運ぶだけでも幸せな、不思議な気持ちになれますよ。
(昨今の情勢により、営業スケジュールに変更がある場合があります。都度、お電話でのお問い合わせをおすすめいたします)
商品情報
商品名 AROMA Cord
販売元 株式会社薫寿堂
商品販売ページ https://kunjudo.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=2577416&csid=0